市民、企業、自治体が共働して進める持続可能な“交通まちづくり”に役立つ研究を進めます。
原田 昇
豊田都市交通研究所は主に豊田市を事例としてわが国の地方都市の交通問題について実践的な研究を行うという趣旨で、豊田市がトヨタ自動車(株)などの民間企業と共同し設立したものです。地方自治体が交通をテーマに専門的な研究機関を設置している点で、わが国では他に類を見ないユニークな研究機関です。 平成3年の設立以来、研究所としての歩みを進め、国内外の学会に論文発表するとともに、豊田市をはじめとする地方都市の交通問題の解決に多面的に貢献してきました。三代目の所長としては、この活動をより高めるとともに、多方面との連携を強めていく所存です。
交通を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。自動運転、新エネルギー自動車、シェアリングを含む革新的なモビリティサービスが、人々の暮らしに影響を与える社会技術として、現実のものになろうとしています。
高齢化と共に人口が減少する地方都市において、これらの社会技術をどのように活かしていくのか。豊田都市交通研究所は、市民、企業、自治体が共働で進める交通まちづくりを推進し、この時代の要請するやりがいのある課題に取り組み、サステイナブルなモビリティ社会の実現に貢献していきます。
単に交通分野だけでなく、地域振興や都市開発などとの関連の中で「都市交通」をとらえ、学術的な研究を通じて安全で円滑かつ快適な都市のあり方を提案します。また「人」と「自動車等」との関連性を重視し、望ましい交通環境の研究を通して時代の要請に応えていきます。
交通とは、人々の社会生活を支える重要な要素のひとつです。そのため、その計画や政策展開はまちづくり(物質的な社会基盤整備のみならず精神的なコミュニティ社会の形成)とともになされなければなりません。私たちは、このことを踏まえ、交通の視点から”まちづくり”に取り組む「交通まちづくり」に資する実践的研究を行うとともに、行政機関との密接な連携の下、研究成果を交通施策へ反映することで豊かな社会生活の実現に貢献します。
世界における日本の役割が高まる中で、都市における交通環境のあり方についても世界への貢献が求められています。豊田市を研究・実験の場として、その成果を広く日本、世界へ情報発信し、各地の交通環境の改善に貢献します。
研究所の基本姿勢 〜あるべき姿〜
「先駆的な研究にチャレンジし、サステイナブルなモビリティ社会実現に貢献する研究所」
名 称 | 公益財団法人豊田都市交通研究所 |
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英 文 名 | Toyota Transportation Research Institute |
設 立 | 1991年3月1日 |
基 本 財 産 | 30億円 |
理 事 長 | 太田 稔彦 |
所 員 数 | 常勤職員 15名(専務理事含む) >>組織体制 >>研究員紹介 |
西 暦 | 全職員数(研究員数) | |
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2024年 | 15(8) | 石田裕康(トヨタ自動車より出向)が専務理事に就任 |
2021年 | 16(9) | 福井隆昭(トヨタ自動車より出向)が専務理事に就任。 |
2018年 | 17(10) | 原田昇が新所長に就任。研究員を2名増員。 |
2017年 | 15(8) | 平成30年度からの5年間を見据えた「新中期ビジョン」を策定。 |
2016年 | 15(8) | 当研究所の25周年を記念して「25周年記念研究成果報告会」を開催。 |
2015年 | 15(8) | 今枝真一(トヨタ自動車より出向)が専務理事に就任。 |
2013年 | 15(8) | 豊田市役所元城庁舎4階に事務所移転。 |
2012年 | 15(8) | 現豊田市長の太田稔彦が理事長に就任。 |
2010年 | 17(9) | 公益財団法人に認定。 |
2009年 | 17(9) | 笠間正治(トヨタ自動車より出向)が専務理事に就任。 |
2007年 | 15(10) | 豊田市・トヨタ自動車と本研究所の三者で研究所のあり方検討会を設け、平成21年からの10年間を見据えた「中期ビジョン」を策定。 |
2006年 | 15(10) | 村井清(トヨタ自動車より出向)が専務理事に就任。 |
2005年 | 14(9) | 豊田市の交通まちづくりを推進するため平成18年度に研究員2名を増やし、研究分野の拡大、自主研究、受託研究・調査事業等が充実。 |
2004年 | 13(8) | TMわかみやパーキング1階(若宮町)へ事務所を移転。同年4月、安藤良輔(現研究部長)が研究主席に就任。 |
2003年 | 13(8) | 松永哲扶(トヨタ自動車より出向)が専務理事に、太田勝敏(東京大学名誉教授)が所長に就任。 |
2002年 | 14(8) | 受託研究事業への対応力増強のため、建設コンサルタント会社の技術者を初めて招請。 |
2001年 | 16(10) | |
2000年 | 14(9) | 2000年に鈴木公平(当時の豊田市長)が理事長に就任。 |
1999年 | 15(9) | |
1998年 | 15(9) | 1998年に博士取得者を採用し、プロパー研究員の充実を図る。基本財産は30億円。 |
1997年 | 14(8) | |
1996年 | 14(8) | 伊豆原浩二(現愛知工業大学客員教授)が研究企画部長に就任。 |
1995年 | 14(8) | |
1994年 | 15(9) | 1993年、小牧博(トヨタ自動車より出向)が初代専務理事に就任。 研究員数の拡充(市出向者1名増、都市交通計画系研究室出身のプロパーを新規採用)。 |
1993年 | 14(8) | |
1992年 | 13(7) | 1991年3月、中根ニッセイビル(豊田市西町)にて設立。 加藤正一(当時の豊田市長)が理事長、新谷洋二(東京大学名誉教授)が所長に就任。 愛知県・豊田市・トヨタ自動車・損保会社からの出向者で運営。基本財産は20.7億円。 |
1991年 | 7(2) |
- 「都市交通計画の反省とそのあり方」(名古屋大学名誉教授 河上省吾 2006.9月)
- 交通工学、都市交通との係わり(岐阜大学名誉教授 加藤 晃 2007.9月)
- 「道路交通事故ゼロに向けての歩みと今後の課題」(名城大学理工学部教授/名古屋工業大学名誉教授 松井 寛 2008.9月)
- 「交通モデル都市『豊田市』での調査研究」(豊田工業高等専門学校 名誉教授 荻野 弘 2009.9月)