豊田市都心の長期と短期の両面によるまちづくり活動の評価
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9 2-3.多様なデータを用いた人手等の変化分析に関する研究 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、私たちの生活に大きな影響をもたらした。イベントの中止、学校の休校、市民への外出自粛、店舗の営業時間短縮などが要請された。都市部の繁華街や駅周辺における人出の状況に関心が高まり、その増減が日々報道されることが日常化した。 このような人出の把握は、IoT技術の発展や関連する設備投資により交通に関する様々なデータを収集・蓄積することができ、それらの解析技術が発展したことで可能となった。コロナ禍における交通ビッグデータの活用状況については松島25)が詳しく整理している。 交通の状況を継続的に捉えるデータには様々な種類がある。宇野ら26)は、交通量感知器データ、ETC2.0プローブデータ、携帯電話データ、アプリデータ、GNSSデータ、Wi-Fiパケットセンサーデータを用いて京都市における観光流動把握に取組んでいる。宇野らが整理するように、それぞれのデータには長所もあれば課題もある。当然ながら、データによって捉える対象が異なる。それらの違いを踏まえ、得られた結果を解釈することはデータを活用する上で重要である。駐車場利用実態と歩行者通行量など複数のデータを組み合わせて分析することで、単独のデータでは得られない知見が得られることを確認した事例27)も存在する。 2-4.まとめ 以上で整理した既往研究等を踏まえ、次章以降の研究を進める。 25 松島敏和:コロナ禍において交通ビッグデータがどのように使われたか?,土木計画学研究発表会・講演集,Vol.62,CD-ROM,2020. 26 宇野伸宏,西田純二,倉内文孝,Schmocker, Jan-Dirk,中村俊之,嶋本寛,杉浦聡志,木村優介:さまざまなビッグデータを活用した京都市における観光流動把握の取組み,交通工学,Vol.55,No.4,2020. 27 西堀泰英,嚴先鏞:中心市街地における駐車場利用実態データを活用した利用者の活動分析,交通工学論文集特集号B,Vol.6,No.2,2020.

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