リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究
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3 2.既往研究のレビュー 交通信号制御システムの設置は様々な問題点を考慮するべきである、一番重要な問題点は交通安全である。しかし、交通安全を確保すると同時に渋滞を誘う或は渋滞を拡大させる可能性が高い。交通安全確保と渋滞最小化、その両方を同時に実現するのは交通管理者と研究者の目標である。以前は、歴史交通量或は道路の等級によって信号時間を配分することである(車両を通過することを感知できる感応制御もあるが、制御システムを定量分析することがなく無駄に青が多い)。近年間、先進技術によって交差点に到着予定の車群情報を獲得できることを前提条件として、様々な研究を展開している。本研究は、交通安全を確保することと渋滞を最小化することを基本規則として、これまでの研究を踏まえて、新たな信号制御システムを開発することである。 2.1伝統的な信号制御設計方法 英国道路研究所(1996年から交通研究所)のWebsterが1957年に、今まで世界的広範囲で採用される平均遅延最小化を目指す信号制御設計方法を提案した(日本でも利用している(平面交差の計画と設計基礎編ー計画・設計・交通信号制御の手引,2018))。シミュレーションを用いて、各進行方向で信号制御のため車両の平均遅延時間計算式を構築した。1サイクルあたり車両総遅延時間D(式1)をサイクル時間Cの関数として扱うと、各現示の有効青時間の比率が各現示の需要率の比率と等しいことを想定し、DをCで微分した値を0と置いたCが1サイクルあたり車両総遅延時間を最小とする最適サイクル長であるとしている。サイクル時間の近似最適値の計算式を推算した(式2)。各現示の有効青時間の計算方法は上記の想定に従う(式3)。式1に、の第一項は車両が一定の車頭間隔で到着すると仮定すると、進行方向に、過飽和でない場合の1サイクルあたりの車両の平均遅延時間。の第二項は車両がランダムで到着の影響を表す。 =1 ここに =(1−)22(1−)+22(1−) = (1)

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