2019年度 自主研究概要 報告者: 穆蕊 研究分野 1暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル リアルタイム情報に基づく平面交差点信号制御システム最適化に関する研究 研究の背景・内容 • 新技術(AI、V2I、V2V)の発展とともに、現在の平面交通信号制御システムの変革が期待されている。近年、様々な新技術を活用して、平面交差点各流入レーンの車群の長さを計測する研究がある。また、その情報を利用して信号制御システムを最適化する研究もある。 • これまでの信号制御最適化に関する研究では、現実のデータを用いた単純な信号制御最適化アルゴリズムの評価は困難である。また、信号サイクルと各現示時間の計算モデルとアルゴリズムのメリットとデメリットのとりまとめは少ない。 • 本研究ではまず、伝統的な信号制御設計方法に関する文献に加えて、近年注目されている自動観測、V2I、V2Vなどの先進技術によって自動車車群情報を獲得し、平面交差点信号制御システム最適化する関係文献を調査する。 • そのうえで、平面交差点信号制御システムを評価するためのモデルとアルゴリズムを構築し、その検証のため、信号制御単独十字交差点をシミュレーションする。 • 構築したシミュレーションを用いて各モデルとアルゴリズムを試行し、シミュレーション結果を比較する。その結果から、代表的なモデルとアルゴリズムのメリットとデメリットを取りまとめる。 研究結果・ 得られた知見等 • リアルタイム情報によって、信号制御システムの最適化モデルとアルゴリズムを開発するためのシミュレーションを構築した。 • シミュレーションを通じてモデルとアルゴリズムを検証した。 • 利用するリアルタイム情報はシミュレーションから獲得できるため、精度は100%で、情報の更新時間を1秒とすることができ、さらに設定によって0.1秒とすることも可能である。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む 社会への貢献: • 交通状況に柔軟に対応する平面交差点信号制御最適化システムを開発することで、交通渋滞の緩和に寄与することができる。 • 流出交通量最大化、平均待ち時間最小化、渋滞・滞留長最小化など様々な指標の最適化を評価できるアルゴリズムを開発する準備。 技術的特徴: • 数学モデルを利用し、単独信号交差点の制御から始めて、最終的には、リアルタイム情報に基づく道路ネットワークレベルの信号制御システムを開発する。 • ミクロ交通流シミュレータの二次開発。 所内の担当者氏名・ 担当者 穆蕊 協力先名 問題点・課題・今後の研究予定・その他 • 構築したシミュレーションでは、車両流入の確率が二項分布に従うことを仮定している。今後は、交通実態調査データを用いてほかの分布を試行する予定である。 • 平均待ち時間最小化、流出交通量最大化、渋滞・滞留長最小化の数学的な関係を究明し、この三つの目標のトレードオフを考慮した上で、最適化解を求める。 • 将来において、全道路に光ビーコンを設置され、車両の流入時間と速度が獲得できる状況を想定して、その情報を利用する信号制御システムを開発する。 関連論文(2019年度) (当年報掲載ページ)
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