豊田市におけるMaaS導入可能性に関する研究
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3 2.MaaSを取り巻く現状の整理 2-1.MaaSのレベル分類 MaaSにおけるサービスの統合レベルを示したフレームワークがJana Sochorらによって提案されており、図 2-1に示す。これはサービスの統合レベルを示したものであり、優劣を示したものではない点に注意が必要である。同分類によると、レベル3が交通サービスとして一つに統合され、検索・予約・決済も一括で行うことができるものである。これにはフィンランドのMaaSである”Whim”が該当する。レベル4が交通政策や都市計画等の行政計画を中心とした社会目標と統合しているレベルとなっており、この事例は現状では存在しない。 図 2-1 MaaSのレベル分類 2-2.海外事例 (1)Whim(フィンランド) 海外事例として、先進事例として取り上げられることの多いフィンランドのWhimの現状について概観する。Whimとはフィンランドのヘルシンキ等でMaaS Global社が提供するマルチモーダル型MaaSである。2016年10月より試験導入し、2017年11月より事業化している。ユーザー数は約7万人(2018年12月時点)で、ヘルシンキの人口60万人の1割強である。2018年時点のサービス内容及び利用者の比率を表 2-1に示す。定額制のプランも導入されているが、2018年時点では、ほとんどの利用者が「都度払いプラン」を選択している。

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