1 1.はじめに 1-1.研究の背景 電車・バス・タクシー・カーシェアリングなどの公共交通を含めた様々な交通サービスのルート検索・予約・決済機能を統合してモビリティサービスを実現するサービスが事業展開されている。本研究では、このような複数の交通サービス等を統合したサービスをマルチモーダル型MaaS(Mobility-as-a-Service)と呼称し、そのイメージを図 1-1に示す。フィンランドの”Whim”というサービスでは、検索・予約・決済機能の統合に加えて、月額定額制サービスも開始されている1。日本においても、2018年頃より各地でマルチモーダル型MaaSの実証実験が行われているが、自動車が主たる交通手段となっている地方都市においては、マルチモーダル型MaaSに関する知見は少ない。しかし、マルチモーダル型MaaSの導入により、交通の利便性向上とともに、地方都市が抱える様々な課題(公共交通の維持、高齢者の移動支援等)の解決に寄与する可能性がある。 図 1-1 マルチモーダル型MaaSのイメージ 1-2.研究の目的 本研究では、地方都市の事例として愛知県豊田市を取りあげ、愛知県豊田市におけるマルチモーダル型MaaSの需要調査や交通事業者の意向調査を通じて、豊田市におけるマルチモーダル型MaaSの導入可能性と課題について明らかにすることを目的とする。 1 Whim HP https://whimapp.com/
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