35 7.交通事業者の意向調査 豊田市のMaaS需要調査・MaaS事業の収益シミュレーション・MaaS導入にあたっての課題に関して、サービスの供給者である交通事業者の意見を確認した。対象は鉄道会社1社、バス会社1社、タクシー会社2社である。 (1)豊田市のMaaS需要に関して 豊田市のMaaS需要について月額8,000円の場合に16%程度は強い利用意向があること、その場合の豊田市内の需要の推計値は5.4万人であるであることに関して、交通事業者の意見としては「一定の需要は認めるものの、月額8,000円という価格水準は事業として厳しい」という内容が多い。交通事業者の主な意見について表 7-1に示す。 表 7-1 豊田市のMaaS需要に関する主な意見 交通事業者 主な意見 鉄道A社 ‣ 月額8,000円の場合に一定の需要があるが、豊田市内の最大区間の現行の1か月分定期券代は約16,000円であり、現行の定期券が割高と認識され、既存事業が厳しくなることを懸念する バスA社 ‣ 月額8,000円の場合に一定の需要があるが、ここから各事業者に収益按分することを考えれば、かなり安い水準であり、バス事業として減収となることを懸念する タクシーA社 ‣ 月額8,000円の場合に16%程度は強い利用意向があるが、サービス内容はバス・電車の豊田市内乗り放題など非常に充実しており、16%程度という利用意向は「少ない」と判断する タクシーB社 ‣ 月額8,000円の場合に16%程度は強い利用意向があるが、この場合の豊田市内の需要の推計値は5.4万人であり、タクシー事業としては増収が見込める ‣ 但し、豊田市内のタクシー台数は300台程度であり、需要が集中した場合には利用できない人が出てくるかもしれない (2)MaaS事業の収益シミュレーションに関して 需要調査を基にシミュレーションすると各事業者に配分される収益は年間9億円程度であることなどに関して、交通事業者の意見としては「収益が年間9億円程度では新規のシステム投資・人件費等が賄えない可能性が高く、収益としては厳しい」という内容が多い。交通事業者の主な意見について表 7-2に示す。
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