33 6.MaaS事業の収益シミュレーション 5-2で見てきた豊田市におけるMaaSの需要調査結果を前提に、豊田市のMaaS事業の収益シミュレーションを実施する。利用者数のシナリオとして表 6-1の3つを想定する。需要調査はアンケート調査であり、実際の利用者は下ぶれする可能性を考慮し、基本シナリオに加え、下方修正シナリオを2つ設定した。 表 6-1 収益シミュレーションのシナリオ シナリオ 利用者数 前提 1 基本 54,171人 豊田市20歳以上人口(345,041人)の内、アンケートで「とても利用したい」と回答している割合(15.7%)が利用 2 下方修正① 27,603人 豊田市20歳以上人口(345,041人)の内、8%が利用 3 下方修正② 13,802人 豊田市20歳以上人口(345,041人)の内、4%が利用 交通事業者の収益シミュレーションの結果を表 6-2に示す。各事業者への収益按分については、実際には各交通手段の利用実績に基づき按分するなどの方法が考えられるが、シミュレーション上はバス2事業者、電車2事業者、タクシー1事業者、カーシェアリング1事業者の6事業者での均等按分とした。基本シナリオであるシナリオ1ではMaaS収益総額52億円/年で、各事業者への収益按分は8.67億円/年という結果となった。下方修正したシナリオ2ではMaaS収益総額26.5億円/年で、各事業者への収益按分は4.42億円/年、更に下方修正したシナリオ3ではMaaS収益総額13.25億円/年で、各事業者への収益按分は2.21億円/年という結果となった。 表 6-2 交通事業者の収益シミュレーション MaaS導入の場合の収益・費用増減の見込みを表 6-3に示す。収益に関しては、新規に定額制MaaS収益が発生する一方、既存の定期券収益は減少することが見込まれる。都度払い収益に関しては、都度払いは日常的にバス・鉄道を使っていない顧客が選択するため、MaaS導入の場合も大きな変化はないと考えられる。費用に関しては、MaaS関連のシステム投資等により運行経費が増加することが見込まれる。またMaaSオペレーションを実施する事業者(統合した交通サービスの検索・予約・決済機能を顧客に提供する事業者)に対シナリオ1シナリオ2シナリオ3前提MaaS利用者想定数(人)54,17127,60313,802表5-4参照一人当たりMaaS収益(円/月)8,0008,0008,000アンケートで高い利用意向が確認できた水準各事業者への収益按分(円/月)1,3331,3331,3336事業者で均等按分と仮定MaaS収益総額(百万円/年)5,2002,6501,325MaaS収益(円/月)×12か月×利用者想定数各事業者への収益按分(百万円/年)8674422216事業者で均等按分と仮定
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