27 では、自家用車を1台以上保有しているにも関わらず定額制マルチモーダル型MaaSを利用したいと考えている層は、MaaS利用後の自家用車の扱いについて、どのように考えているのだろうか。サービスCについて「とても利用したい」と回答し、且つ現在自家用車を1台以上保有している90名が、MaaS利用後に自家用車を減らしたいと考えているのかを図 5-13に示す。減らしたくないという層が37.8%である一方、1台減らしたいという層が57.8%、2台以上減らしたいという層が4.4%である。つまり、定額制マルチモーダル型MaaSで、低価格で移動の利便性が向上した場合、自家用車の保有台数を減らしたいと考えている層の人数が多いことを示唆している。また同じ90名に関して、自家用車保有台数別に自家用車減車意向を示したものを図 5-14に示す。自家用車を1台保有している層よりも2台以上保有している層の方が、自家用車減車意向が高くなっていることがわかる。 自家用車保有層のうち一定割合は定額制マルチモーダル型MaaSの利用意向があり、且つその場合に自家用車の台数を減らしたいと考えているという部分の解釈については、ほとんどの「移動」は「派生需要(本来需要を満たすために生まれる派生的な需要。通勤・通学・娯楽などの本来需要のために移動という派生需要が発生する。)」であり、状況に応じて最も合理的な移動手段が選択されると考えれば、現在は自家用車での移動が最も合理的である豊田市においても、公共交通のサービス内容や価格等の条件次第では、公共交通の利用率が高まると考える。 図 5-13 自家用車減車意向 図 5-14 自家用車減車意向(自家用車保有台数別) 次に、定額制マルチモーダル型MaaSは高齢者の移動支援につながるのかという点に関して、年齢別の利用意向を図 5-15に示す。若年層(20代~30代)と高齢層(70代以上)で特に利用意向が高くなっている。若年層の利用意向が高いのは、自動車の保有から利用へという価値観の変化等が影響しているものと推察される。高齢層の利用意向が高いのは、自家用車の運転が負担となり始めること等が影響しているものと推察される。高齢層の利用意向が高いことから、定額制マルチモーダル型MaaSは高齢者の移動支援につながる可能性が示唆される。但し、Webアンケート調査の性質上、高齢層のサンプル数が少ないことn=(%)(90)とても利用したい37.8 57.8 4.4 減らしたくない1台減らしたい2台以上減らしたいn=(%)1台(44)2台(33)3台以上(13)自家用車保有54.5 21.2 23.1 45.5 69.7 69.2 9.1 7.7 減らしたくない1台減らしたい2台以上減らしたい
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