無信号横断歩道での安全に関する基礎研究~歩行者保護に資するソフト施策の視点から~
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-27- 計結果である。止まってもらった経験頻度が高まるほど、自分自身がドライバーの時は「必ず止まる」という回答割合が増加している。このことは、歩行者としての経験が運転行動に反映されており、より多くの人が「止まってもらった」経験をすることで、歩行者を優先するドライバーが相乗的に増加するという期待を示唆している。 0%20%40%60%80%100%よくある(10回中7回以上)(n=68)たまにある(10回中4~6回)(n=184)あまりない(10回中3回以下)(n=148)歩行者としての「止まってもらった」経験と自分の停止行動必ず止まっている時々止まっている+あまり止まらない 図 5-13 歩行者としての経験と停止行動 (4)効果的なメッセージ 図5-14は、どのようなメッセージだと「止まるようになる」か、たずねた結果である。既往研究において、公共交通車内のマナーに関する啓発メッセージを取り扱った藤村らの研究7) では、マナーを守らぬ人に対して「お願い」「被害の付加」(すなわち本研究では「歩行者がなかなか渡れなくて困っています!」というメッセージ)が効果的であるという結果を示しているが、本研究では「止まってくれてありがとう!」という感謝を示すメッセージへの支持が高いという結果であった。 0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%止まってくれてありがとう!歩行者がなかなか渡れなくて困っています!歩行者がいたら必ず止まろう!歩行者保護を促す効果的なメッセージとてもそう思う思う少し思うどちらでもないあまり思わない思わないまったく思わない(n=400) 図 5-14 歩行者としての経験と停止行動

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