無信号横断歩道での安全に関する基礎研究~歩行者保護に資するソフト施策の視点から~
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-26- 7.56.45.95.05.35.86.37.10.01.02.03.04.05.06.07.08.0警察が横断歩道で止まらないクルマの取締りをしている地域の顔見知りが立哨活動をしている知人ではない人が立哨活動をしている「横断者注意」を呼び掛ける看板が設置されている10台のうち1台ぐらいのクルマが停止している10台のうち3台ぐらいのクルマが停止している10台のうち5台ぐらいのクルマが停止している10台のうち7台以上のクルマが停止しているこの状況だと、どれくらい停止できるようになるか(10段階回答の平均値) 図 5-12 交通ルール違反に対するドライバーの意識 警察が取締りをしている状況、すなわち命令的規範に従わざるをえないと考えられる状況が最も高い得点であり、また周囲で止まるクルマが増えるほど、自身も止まるようになるという傾向が確認できた。このことは先述のとおり、マーケティング学で論じられる社会的相互作用であるバンドワゴン効果、すなわち「ある選択が多数に受け入れられている、または、流行しているという情報が流れることで、その選択への支持が一層強くなるという効果」が現れていると捉えられる。グラフを見ると、7 割のクルマが停止するようになって漸く「警察の取締り」と同程度の効果に達しているとも解釈できる。 さらに、路上での呼び掛け(立哨活動)に関しては、「地域の顔見知り」による場合と「知人ではない人たち」の場合とで差があり、t検定により差の平均を検定した結果、有意水準1%で有意な差が確認された。つまり知人が街頭で「横断歩道での停止」を呼びかけている状況の方が「止まるようになる」という傾向が確認できた。 (3)歩行者としての経験と運転行動 図5-13は、歩行者として無信号横断歩道を渡ろうとしているときに「止まってもらったことがあるか」とう経験と、ドライバーとしての歩行者優先行動とのクロス集t=7.333 P<0.001

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