市街地での規制速度遵守を促す環境整備に関する研究
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-1- 1.はじめに 1-1.背景と目的 当研究所では、交通安全分野における重要な研究課題の一つとして「面的速度マネジメントの実現を目指す」ことに取り組んできた。平成23年度以降、施設内や公道での実証実験を繰り返し、様々なデータの蓄積によって速度抑制の担保策を講じるための知見を得た。最終的に目指すところとしては「地域住民・行政・警察の共働による総合的速度管理技術・方法の構築と提案、普及に向けたアクション」としているが、ここに至るには「道路」「交通実態」「地域」などの特性を踏まえた速度マネジメントに関する研究が十分には行われていない。 一方、道路交通において規制速度遵守を促すためには、現状の最高速度規制が適当であるのか、さらにはいかなる速度規制が適切であるのか、その考察が必要である。警察庁は平成21年度に最高速度規制に関する新たな基準に基づいた規制速度見直しを各都道府県警に通達した。以降、都道府県警や自治体によってこれが推し進められているが、一律の基準によって設定した規制速度を地域毎の細やかな実態に照らし合わせて点検することに意義はあると考えられる。すなわち、速度規制の実効性を高めるための環境整備を指南する知見が期待される。 そこで、これまでに蓄積した基礎資料・実証実験データを活用し、現状の最高速度規制設定基準を踏まえて、より実効性のある環境整備のあり方に関する知見を得ることを目的として、現状の走行速度実態と道路特性・地区特性の関係を明らかにする。具体的には、主に平成26,27年度に実施した助言型ISA実証実験データを用いて速度超過状況を整理し、速度超過の多寡と道路および地域特性の関連を整理し、具体的な区間を例示しながら対策方針の提言を試みる。 1-2.研究概要 (1)規制速度設定に関する現状と議論 愛知県における交通事故の現状から、最高速度違反事故に着目しその特徴を整理する。また、政府(警察庁)がこれまでに取組んできた規制速度設定の検討についてレビューし、その経緯と検討結果を整理する。(第2章) (2)一般道路における実勢速度と特徴 平成25年度、26年度に実施した助言型ISAフィールド実験において得られたプローブデータを用いて、実勢速度と規制速度との乖離を整理する。特に乖離が大きいと考えられる40km/h規制道路に関しては、具体的な区間を抽出しその道路環境の実態をGoogle Map 等
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