市街地での規制速度遵守を促す環境整備に関する研究
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-23- 4.生活道路での道路環境要因と個人差を考慮した助言型ISAの効果 4-1.分析対象データおよび分析方法 本章では、助言型ISA実験においてインセンティブプログラムの効果が特に大きかったゾーン30に限定して、道路環境要因および個人によるばらつきを考慮した助言型ISAおよびインセンティブプログラムの効果を把握する。ゾーン30エリア内のリンクの内、走行データが存在した(すなわち実験期間中に走行された)リンクは392リンクであった。その中から今回の分析では、リンク長50m以上かつ走行された回数が10以上であるリンクを抽出し、助言型ISAおよびインセンティブプログラム有無による走行速度の違いに着目するため、Phase1とPhase2で重複している77リンクを分析で扱うリンクとした(表4-1)。また被験者48人分のデータのうち、極端に走行回数や走行距離が少ない(対象リンクの走行延べリンク数が10未満かつ走行距離が500m以下)サンプルを除外し、39人分のデータを扱う。 表 4-1 分析対象リンクデータ概要 次に、抽出した77リンクの道路環境要因をデータ化するため、 Google Mapのストリートビュー機能と距離測定機能を用いて道路の街路特性および沿道特性を把握した。データ化した道路環境要因は、道路幅員、カラー舗装の有無、歩道の有無、狭さくの有無、沿道環境(住宅街かどうか)などである。 これらのリンクデータを用いて、リンク別走行別の最高走行速度と30km/hの差(最大超過速度:最高走行速度-30km/h)を目的変数とした重回帰分析を行った(式(1))。 ゾーン30全体分析対象リンクリンク長50m以上かつ走行された回数が10以上リンク数39277延べリンク走行回数2488010041=+=1+1+22・・・(1):リンク別走行別の最大超過速度1: 個人定数項:説明変数2:Phase2での個人定数項:定数項2 :Phase2ダミー:パラメータ

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