交通データの情報収集と活用可能性に関する研究
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6.おわりに まとめ 6-1. 本研究では、豊田市の交通特性を捉える際に活用できる交通データを明らかにするため、①各種交通データ(プローブ情報)の緒元・特性整理、豊田市の特性を活かして交通状況を把握するために②貨物車プローブを活用した道路渋滞状況の可視化を試みた。 まず、各種交通データ(プローブ情報)の緒元・特性整理では、自治体等が購入できる交通データを幅広く整理したが、各社仕様が異なるため利用目的やデータ規模に応じた選択が必要である。また購入に際して、購入者や利用に関する様々な制約条件が確認され、当該データを活用した施策評価や対策検討には限界もみられる。さらに、データ分析のコンサルタント事業や、交通以外のデータや保険などとセットになったサービスも展開され始めているなどより個別企業の商品化が進んでいるため、国が計画しているプラットフォーム創りを早急的に進める必要性が高い。 次に、貨物車プローブを活用した道路渋滞状況の可視化について、愛知県トラック協会豊田部会との連携のもと、1)運送事業者を対象としたアンケート調査、2)貨物車プローブの活用可能性の検討を行った。豊田市の物流事業者を対象としたアンケート調査では、小規模事業所ではドライバーの拘束時間に『道路の渋滞』が最も影響しているという意識を明らかにした。一方、中規模・大規模事業所では、『積込みの時間』や『荷下ろしの時間』への課題意識が高まるっている。また、過去の渋滞状況などを閲覧できる地図情報は、全ての事業所が「利用したい」との意向であった。 先述のアンケート調査にご回答いただいた事業所のうち、大規模事業者の2社より、先行的にプローブデータ(デジタコデータ)を収集し、渋滞交差点における朝ピーク時の時間平均速度を算出した。ある特定日で限られた企業の貨物車プローブであるが、渋滞交差点における14%の流入方向で旅行速度が算出できた。また、JARTICデータの渋滞基準を用いて算出結果の妥当性を確認した結果、高い割合で渋滞時の速度を示しており、自治体が対策箇所として抽出している渋滞交差点以外の渋滞箇所も確認された。 市販されているプローブデータは複雑な利用制約がある中で、豊田市内を走行する貨物車プローブを活用して市内の道路交通状況の可視化を試み、実測調査の代替性を示すことができた。また、愛知県トラック協会との連携による取組みは、わが国が進めている情報集約・活用・プラットフォーム創りのケーススタディになるため、『産業都市という地域特性を活用した新たな道路交通状況データの活用法』の構築に向けて、運輸事業との更なる連携が期待される。 76

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