中山間地域における高齢者モビリティ調査
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8-3.地区別のモビリティ確保の方向性 現状では、自動車を運転している高齢者の活動が活発であることから、健康で自立的な生活を営むためのツール(移動手段)として自動車の役割も尊重しながら、運転をやめた後にスムーズに公共交通等のサービスを利用できるように、地域特性や日常生活に沿った公共交通サービスの改編、更にはまちづくりと連携した施策展開が重要になる。日常生活の実態を踏まえ、地区別にモビリティ確保の方向性を表 8-1に示す。 表 8-1 地区別公共交通改善の方向性 モビリティ確保の方向性 旭地区 【現状・課題】 買物や通院は主に足助地区に向かっている。その動線には、基幹バスである旭・足助線が運行されているが、その他の基幹バスと比較して利用率は低い。 【今後の方向性】 日常生活の需要(実態)がある程度ハッキリしているため、基幹バスと地域バスの役割を再検討し、日常生活に合った利便性の高い公共交通に再編可能である。 小原地区 【現状・課題】 買物は藤岡地区や市外、通院は地域内の診療所に通院している。 エリアデマンドで運行されている地域バス(小原桜バス)の相乗りが課題であった。 【今後の方向性】 地域内に通院している割合が高い当該地区において、エリアデマンドは生活実態に即した公共交通システムである。今後は、診療時間を考慮して目的地(診療所)ベースの予約システムが展開できれば、さらなる利用者の拡大に繋がる可能性がある。買物利用が多い藤岡地区との動線には、基幹バスの小原豊田線が運行されている。地域バスと基幹バスをセットにした買物利用特典、地域で買物ツアーを検討するなど、新たな利用促進策の検討・展開が望まれる。 石野地区 【現状・課題】 当該地区には商店・病院がなく、住民の行先(トリップの向き)は分散している。 その他の中山間地域に比べて、高齢化の危機感が小さい地域でもある。 【今後の方向性】 地区内で唯一の診療所が広瀬バスターミナルの近辺に開業した。(H27.3月)食料品の販売やその他のサービスが受けられるよう、広瀬バスターミナル中心とした地区の拠点づくりが、今後のまちづくりとして望まれる。また、地域バスの再編に着手しているため、地域で支える体制を整え、使い勝手のよいバスへの改編が期待される。 95

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