中山間地域における高齢者モビリティ調査
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7-2-2. 分析結果 分析の精度とアイテム毎のレンジ・偏相関係数を表 7-3に示す。カテゴリー数やサンプル数にバラつきがみられることや、代表的な因子を説明する要因であるなどの影響で、いずれの群間においても分析精度が高いとはいえない結果となった。しかし、結果の解釈として選択要因の傾向が示されているため、表 7-4に示しているカテゴリースコアもみながら選択要因の結果を整理する。 まず、表 7-3に示している偏相関検定の結果をみると、パターン1では「世帯」と「バス利用経験」、パターン2では「バス利用経験」において有意性が確認され、サービスを選択する要因としてバスの利用経験が最も影響している。 つづいて、表 7-4に整理している各パターンのカテゴリースコアの傾向から、アイテム(説明変数)別の選択傾向を整理する。 女性、85歳以上、ひとり暮らし、高齢者のみの世帯、仕事をしている、運動している、趣味娯楽活動をしている方がサービスを選択する傾向にある。 子供との同居世帯、定期的に通院、バスの利用経験がない方が家族の送迎を選択する傾向にある。 男性、65~69歳、病気やケガの時だけ通院、仕事していない、趣味娯楽なし、近所のバス停なしと回答した方が未検討の傾向にある。 表 7-3 分析精度・レンジ・偏相関検定 アイテム パターン① サービス選択群‐家族送迎選択群 相関比:0.13 判別的中率:66.3% パターン② サービス選択群‐未検討群 相関比:0.09 判別的中率:64.1% パターン③ サービス選択群‐未検討群 相関比:0.07 判別的中率:59.8% レンジ 偏相関係数 レンジ 偏相関係数 レンジ 偏相関係数 性別 0.0518 0.0219 0.1469 0.0446 0.0337 0.0112 年齢 0.1685 0.0573 0.4941 0.0937 0.5420 0.1040 世帯 0.4723 0.1387* 0.0865 0.0297 0.5744 0.1518 介護・介助 0.0052 0.0446 0.1056 0.0216 0.0233 0.0062 通院頻度 0.1099 0.0396 0.2115 0.0640 0.3496 0.1243 仕事 0.0087 0.0214 0.0580 0.0202 0.1140 0.0465 運動 0.2845 0.1100 0.1722 0.0601 0.2199 0.0899 趣味娯楽 0.1562 0.0610 0.2838 0.0952 0.2158 0.0759 近所のバス停 0.0795 0.0655 0.1698 0.0481 0.2431 0.0891 バス利用経験 0.7746 0.2919** 0.7259 0.2402** 0.2511 0.0841 ※偏相関検定:**1%有意 *5%有意 84
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