中山間地域における高齢者モビリティ調査
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6-3-4. 移動手段と活動量の分析のまとめ 自動車運転者群と非運転者群の推定活動量に差がみられた。特に後期高齢者においても運転者群と非運転者群の推定活動量に有意な差が認められ、自動車を運転している高齢者は活動量が大きくなっている実態が確認された。一方、自動車を運転範囲と推定活動量に有意な差が認められなかった。これは、運転の範囲は活動目的によって左右されており、メッツ値が高い農業を営む高齢者が多いことなどが影響していると考えられる。 高齢化が進むわが国では、高齢者の健康づくりや認知症対策などを行い、高齢者が生き生きと元気に生活できる地域づくりが求められている。自動車に頼らざるを得ない中山間地域においては、元気な高齢者は自動車を許容し、社会活動や娯楽活動を推進するような政策も地域づくりの重要な方策になり得る可能性がある。地域の生活実態に合った柔軟な移動サービスを展開するためには、自動車の運転に必要な身体的・認知的な検査とその評価方法を確立し、その基準を下回る高齢者については免許の返納を求める仕組みが必要である 74

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