中山間地域における高齢者モビリティ調査
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6-3. 自動車運転者・非運転者の活動量の分析 6-3-1. 分析の概要 近年、身体的・認知的な能力の低下が原因とされる高齢者の自動車運転時の交通事故が増加している。そのため行政や警察は、地域の自動車学校などと連携した高齢者講習会の開催や免許の早期返納を促す支援策を実施し、各自動車メーカーも安全運転支援システムを標準装備している車種などを販売するなど、高齢者の安全な移動環境を形成すべく取組みが全国各地で推進されている。 中山間地域の生活実態をみると、自動車は重要な移動手段である。年齢によって運転する範囲を狭めたり、身体的な理由で運転を断念する高齢者が増加することが想定されるが、年齢が高くても元気な高齢者(仕事や運動などをしている高齢者)は自動車を運転している実態も見受けられる。そこで、『元気な高齢者は自動車を運転し、自動車を運転している高齢者は活動量が大きい』という仮説を検証するため、本節では①自動車運転者と非運転者の活動量の差、②自動車を運転する範囲別に活動量の差を明らかにする。 6-3-2. 活動量の推定 本研究では、被験者の個人属性として「仕事」・「運動」・「趣味娯楽」の活動状況を調査している。そこで、図 6-5と図 6-6に示す生活活動・運動のメッツ表を参考に、職種・種目別の活動メッツ値に日単位の頻度を乗じた推定活動量を算出する。 70

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