天候やイベント開催が歩行者の活動に及ぼす影響に関する論文が掲載されました
東京大学空間情報科学研究センターの嚴先鏞研究員(当研究所に2019年2月まで在籍)や西堀主席研究員らがまとめた、天候やイベント開催が歩行者の活動に及ぼす影響に関する論文が、国際雑誌「International Journal of SustainableTransportation(持続可能な交通)」(2019 Impact Factor: 2.709)に掲載されましたのでお知らせします。本研究を遂行するにあたり、豊田市商業観光課から貴重なデータを提供して頂きました。ここに記し謝意を表します。
【公表論文】
Sunyong Eom, Yasuhide Nishihori: How weather and special events affect pedestrian activities: volume, space, and time, International Journal of Sustainable Transportation, doi.org/10.1080/15568318.2021.1897907
(https://www.tandfonline.com/eprint/RN7HTI5SNSJ3FE7HZSTN/full?target=10.1080
/15568318.2021.1897907)
(和文タイトル)
天候やイベント開催は歩行者の活動にどのような影響を及ぼすのか?量、空間分布、時間分布の観点から
【論文の要旨(和文)】
活力のある持続可能な中心市街地に向けて、イベント開催や天候が歩行者の活動に及ぼす影響を理解することは重要である。本研究では、愛知県豊田市の中心市街地で継続的に観測されている歩行者通行量データを用いて、歩行者の量、空間分布、時間分布に関する指標である「歩行者分布指標(PDIs)」を開発し、イベント開催や天候によってPDIsがどのように影響を受けるのかを明らかにした。その結果、天候は歩行者の量、空間分布、時間分布に影響し、中でも温度と風速は歩行者の量と空間分布に非線形の影響を及ぼすことを確認した。また、イベント開催は歩行者の量を増やし空間分布を拡大する効果があるが、時間分布が限定されることがわかった。本研究の成果を活用することで、イベント開催の効果を定量的に評価可能となり、都市空間計画の検討に貢献することが期待できる。