名古屋大学との共同研究の成果が国際雑誌「事故分析と予防」に掲載されました

【名古屋大学との共同研究の成果が国際雑誌「事故分析と予防」に掲載されました】

当研究所の楊甲主任研究員が研究代表者、名古屋大学未来材料・システム研究所システム創成部門山本俊行教授、当研究所の安藤良輔研究部長が共同研究者である研究論文が交通安全学に関する最も有名な国際雑誌Accident Analysis & Prevention(2019 Impact Factor: 3.655)に掲載されました。本研究を遂行するにあたり、愛知県警豊田警察署、豊田市役所交通安全防犯課及び庶務課から豊田市の事故原票や人口統計等の貴重なデータを提供して頂きました。関係者の皆様に感謝の意を表します。

 

【公表論文】

J.Yang, T. Yamamoto, R. Ando. The impact of mandating a driving lesson for elderly drivers in Japan using count data models: Case study of Toyota City, Accident Analysis & Prevention, vol. 153, Article ID: 106015, 2021.

(https://doi.org/10.1016/j.aap.2021.106015)

 

【論文の要旨】

高齢化社会が進展している中、高齢運転者による交通事故件数を低減させる様々な方策が進められています。そのうち、1998年に導入された高齢運転者講習制度は継続的に実施されており、必要に応じて、その内容改変や充実等の見直しが実施されています。また、より効果的な高齢者講習制度の実施を検討するため、高齢運転者による事故件数の削減に与える効果に対する定量的評価は重要な問題と考えています。しかし、この点に注目した研究論文や報告は極めて少ない状況です。そこで、本研究は高齢運転者講習制度が事故件数の削減に与える効果を定量的に評価するため、愛知県豊田市に発生した高齢運転者の事故データを用いて、高齢運転者数の増加や事故件数の月変化等を考慮した整数回帰モデルを構築しました。その結果、2017年3月に実施された高齢運転者制度の見直し(講習内容の充実や臨時高齢者認知機能検査の導入等)による高齢運転者の事故件数の減少傾向が示されました。本研究で構築した整数回帰モデルは交通事故対策を評価するための定量的手法を提案する際、参考資料として活用されることが期待されています。