2021年度 研究成果報告会開催記録
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レーキ。急発進、急ブレーキをやめましょう、が「ス 太田 稔彦 (豊田都市交通研究所 理事長) 皆さん、こんにちは。 2021年度 豊田都市交通研究所 研究成果報告会を開催させていただきます。 コロナ禍、そして、天気の悪い中、お集りいただき、ありがとうございます。 八街市で悲惨な事故が起きました。恐らく全国の通学路の一斉点検が行われます。今朝、NHKのニュースを見ていましたら、横断歩道で止まる車が少ないので、三重県では大人も横断歩道を渡る際に手を挙げる運動を始めるということでした。人と車の関係は変わらないんだなとつくづく感じます。 豊田都市交通研究所の活動の柱は「交通まちづくり」です。交通のための交通、車のための車、車のための社会ではなく、まちづくり全体をとらえたときに交通はどうあるべきかを考えることが豊田都市交通研究所の長年のテーマです。原田所長をはじめ、研究所の職員の皆さんはそういう視点も持って日々しっかりやっています。感謝申し上げます。 10年以上前ですか、私が環境の取組をしていたとき、「3Sドライブ」を推進しました。「スロー(Slow)」「スマート(Smart)」「ストップ(Stop)」の3つの「S」です。 環境の取組として、できるだけCO2の排出を抑えるため、車はゆっくり発進して、ゆっくりブ ロー」です。車間距離をとって一定の効率のいいスピードで走り続けましょう、が「スマート」です。これでCO2はどんどん削減できるのではないかという話になりましたが、歩行者がいたときはどうするのか。車はCO2を出さないように一定の速度で走るから、歩行者は我慢してというのは何だか変だと思い、それで、横断歩道で歩行者を見たら、必ず止まりましょう。「ストップ」を3つ目に付けたわけです。CO2の排出は増えますが、人と車、社会を考えたときの全体最適ではないかと。 しかし、「3Sドライブ」はあまり広がりませんでした。発想が車優先だからです。 そして、それはいまだに変わらないなと思います。八街市の事故も結局、歩行者路線を確保しましょう、分離しましょう、歩行者は迂回しましょう、車優先の道路だからというところが変わっていないのです。 この研究所がまさに「交通まちづくり」、ハード・ソフトのまち、車、人、そうしたところから見た全体最適を念頭に研究を進めることは社会的な価値があると思いますし、豊田市においても極めて重要なテーマです。今年、豊田市の交通事故死者数は1人ですが、事故発生から24時間を経過した後で亡くなられた人はもっといらっしゃるでしょう。この方向性を私たちみんなで確認する中で取組をこれからも強化していきたいと思います。 今日は限られた時間ですが、いろいろな取組や考え方をお聞きいただき、これからの「交通まちづくり」に向けてそれぞれのお立場から活発に議論していただく中で、良い、もっと良い、もっと住みよい豊田市を目指していきたいと思います。どうかよろしくお願いします。今日はありがとうございます。(拍手) - 1 - - 2 -開会挨拶

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