2021年度 研究成果報告会開催記録
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- 8 - 化する分析ツールを開発したというご発表だったと思います。 この分析ツールにより可視化が構築されますと、交通安全対策業務の効率化や効果的な対策の検討促進につながると思われます。 また、交通安全教育、市民への啓発活動にも大変有効活用できると思います。 交通事故対策研究の推進にも貢献できると思います。私も生活道路の交通安全対策を研究していますが、交通事故データはなかなか手に入らないし、整理にすごく手間がかかるというか、時間がかかるので、このようなシステムの構築は今後の研究推進につながるかと思います。 質問および意見を伺いしたい点を2点書かせていただいています。 まず、交通事故の原票オープンデータに関することです。 さまざまな事故データが公開されたのは大変いいことですが、発表の中にもあったように詳細な事故類型、例えば車両相互事故のうち、出会い頭事故なのか、追突事故なのかというようなことは把握できません。全く性質の異なる事故ですので、それが分からないと対策を考えるのも難しいと思います。ご意見を伺いたいところです。 また、道路構造や道路付属物の状況などの詳細なデータが充実しないと、交通事故要因分析への活用は難しいのではないかという印象も受けました。ゾーン30なのかとか、道路の幅員とか、いろいろな情報がオープンデータにはあるというご説明でしたが、その辺りは組み込まれていません。例えば生活道路の無信号交差点で事故が起こったとすれば、対策としてカラー舗装はされていたのか、カーブミラーがあったのか。欲張りかもしれませんが、そういう細かい情報があると、より正確な交通事故の要因分析、対策の構築につながると感じました。 交通事故の分析や検討は、1年前のデータとか、過去5年間でどこの地点で事故がたくさん起こっているかとか、そういう過去のデータを使って行うと思いますが、当時の道路構造の状況を正確に把握するのはなかなか困難です。例えば3年前にある場所で事故が起こったとして、今、現地を見に行っても、それは現在の状況でしかありません。3年前はどうなっていたか、道路管理者の方に当時の話を聞きに行くなどしてデータを集める必要があります。その辺りのデータが充実すると、もっともっといろいろと使えるのかなと思います。ご意見がありましたら、お願いいたします。 次に、交通事故実態の可視化ツールに関することです。 人口データや高齢化率、事業所数など、地域の社会経済データと交通事故データの関連性を分析することや可視化することは今後考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。 また、集計・分析のためのすばらしいツールを開発されていますが、今後さらにもっと便利になるよという展望がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 豊田市役所の交通安全対策を考える部局にヒアリングをされたところ、今回のQGISシステムの導入は現段階では難しいといいますが、今、必要ないというようなお話だったかと思いますが、交通安全行政の方に利用しやすいシステムにしていくこと、導入したくなるようなシステムを作ることは非常に重要だと思います。こういう機能を充実させたらとか、もっとここを使いやすくしたらとか、どのようなところが課題なのかということをお話しいただければと思います。このシステムを普及させるためのヒントにもなるかと思います。 司会:ありがとうございます。 - 53 -

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