2021年度 研究成果報告会開催記録
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- 10 - 最後に今後、ぜひ検討いただきたい点を述べます。 まず、どのように情報提供していくのか、情報提供のあり方についての検討です。 それから、交通規制との関係。三村さんの発表で象も自転車レーンを狙って整備しているが、単に自転車通行帯になっているところです。 いずれにしても、「ガイドライン」に沿って整備された自転車通行空間の利用率は非常に低く、問題になっている中、本研究の特徴と評価される点がこちらです。 あまり利用されていない車道上の自転車通行空間において、本研究では自転車利用者の心理的側面、特にSocial Incentivesなど人の行動変容を促す心理学を使って、自転車通行空間、車道利用へ誘導できるかどうかを検討した点にあります。 大ざっぱに結論だけを申し上げますと、利用者心理に影響を及ぼす情報提供や看板、さらにはサクラ(誘導員)によってある程度車道への誘導が可能であり、その持続も期待できることが示されたことは評価されると思います。 私からの確認と質問したい点です。 1点目、SIなどで利用者の行動変容を促す車道通行率の情報提供ですが、どのくらいの数値であれば効果が出るのかという点です。80%ぐらいの人が車道を通行していると伝えると効果が出るのか、50%ぐらいでもいけるのか、50%ではあまり効果がないのか、その辺を教えてほしいと思います。 2点目は、利用者属性によって効果に差があるかということです。若干あるようなお話でしたが、効果に差があるのであれば、ターゲットを絞った対策を考えていくといいと思います。 は罰則情報のほうがより効果があるということでしたので、情報提供よりもきちんと交通規制をするほうがいいのか、ご研究いただけたらと思います。 ある程度持続効果があるということでしたが、今、もう一回調査をすると、どれぐらいになっているのか、効果が持続しているのか、さらに検討いただけたらと思います。 以上でございます。 司会:嶋田先生、ありがとうございます。 では、三村さんから回答をお願いいたします。 三村:ご質問ありがとうございます。 まず、1つ目のご質問についてです。ほかの人がどれぐらい使っているかという数値を車道通行率で示すと、高いほうがその値に引きずられて車道を通行するという結果でしたので、50%よりはもちろん50%以上がよくて、50%以下になってくると、逆にみんなが使っていないから、使わなくてもいいんじゃないかというほうに引きずられてしまうこともあると思います。あまり低い情報を伝えるよりも、ある程度高い情報をうまく提供したほうがいいと思われますが、今回は6パターンだったので、もっと研究を続け、具体的な数値が出せると、さらに有効な方法が見えてくるかと思います。 2つ目のご質問です。今回少し紹介したように、- 44 -

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