2021年度 研究成果報告会開催記録
57/86

- 9 - 司会:ただいまの研究報告に対するコメンテーターういったアプローチが有効で、通行空間の適正利用につながると考えます。 以上です。ご清聴ありがとうございました。(拍手) は大同大学の教授であります嶋田喜昭先生にお願いします。 嶋田先生は自転車の研究にも取り組んでいらっしゃいます。三村の大学の大先輩でもありまして、三村が足を向けて寝られないような方です。 嶋田:ご紹介いただきました大同大学の嶋田でございます。 「自転車通行空間利用向上に向けた新たなアプローチの試み」という三村主幹研究員の研究についてコメントさせていただきます。 まず、この研究の着眼点を改めて整理したいと思います。 自転車交通の特性をご紹介します。 交通分担率を見ますと、5㎞ぐらいまでの距離では2割ぐらい自転車が使われています。また、5㎞ぐらいまでなら自転車がいちばん速く到着できます。自動車は車庫から出したりしないといけないので。自転車は非常に重要な短距離交通手段ということです。 10年ほど前、自転車が歩道を走ることによる事故が社会問題化したため、国交省と警察庁の連名で「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」が策定され、車道走行を前提に3つの形態で整備することになりました。 1つは、自転車道です。歩道と自転車道と車道を柵など物理的なもので分離するつくり方です。規格の高い道路や空間に余裕がある道路などはこういう整備をすることになります。 2つ目、自転車専用通行帯、通称、自転車レーンです。車道の中に自転車専用の車線をつくるものです。自動車と同じ左側の一方通行になります。非常に多い整備形態です。 3つ目、狭い道路に関して、車道の中に自転車のピクトグラムというマークを入れたり、矢羽根という青い矢印の路面標示を入れたりして行う車道混在です。 自転車レーンは道路交通法の規制をかけたときの名称です。このようなかたちで整備しても、歩道上の自転車通行可の規制を残し、単なる自転車通行帯となっている場合が多く見られます。本研究の対- 43 -

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る