- 8 - います。1か月経過後も実験中と同等もしくはそれ以上であり、効果は持続しています。 さらに、この結果は自転車の種類が影響するのではないかと考え、ママチャリを増やしたほうがいいのか、スポーツバイクを増やしたほうがいいのかということも検証したところ、ママチャリを増やすと一般の方の利用率が上がり、スポーツタイプを増やすと学生の方の利用率が上がりました。自転車の種類によって上がる対象が少し変わることが分かります。 さらに、車道通行する自転車の台数が増えれば増えるほど、釣られて走行する方が増えるのではないかと考え、台数をコントロールしてみました。1台、2台と増やし、6台まで増やしたときにどうなるかを見てみましたが、結果としてはあまり影響が見られませんでした。 増やした自転車には特定のスピードでコントロールして走ってもらっていたので、もっと速いスピードで走りたい人が車道から歩道に入る現象が起きて、増やせば増やすほどという結果にはならなかったのではないかと考えます。 結論です。 1つ目、情報提供を受けた人は受けていない人に比べて車道通行意図が約1.2倍向上することが分かりました。パンフレットなどでこういった結果をお示しすることによって有効に通行意図を変えられるのではないかと考えます。 2つ目、継続的な情報提供により、改善が見られました。提供期間が長くなれば長くなるほど効果が出ました。今回の実験はすべてわれわれの手作業で、看板の数字もマグネットを使って交換していましたので、1週間に1回ぐらいしかできませんでした。将来的に画像処理やITSの技術を使った電光掲示板みたいなかたちにすると、さらに高い効果が期待できるのではないかと考えます。 3つ目、実際に自転車の数を増やすと車道通行率が上昇しましたが、車種や台数をうまくコントロールした場合にのみ効果が発現したので、その点は踏まえる必要があります。 市内で定期的に行われている交通安全市民運動と連携し、「みんなで走ってみよう!」というような取り組みを行うと、車道通行率の向上につながるのではないかと思います。実験の1か月後も効果が持続していたという結果も出ていましたので、そういった点からもこういった取り組みを行っていけるといいと思います。 ただ、今回の取り組みは自動車の通行量が少ない比較的安全な空間で実施したものですので、適切な自転車通行空間の整備がまず大前提です。それがなされた上で、さらに効果をもっと高めたいとき、こ- 42 -
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