- 10 - 寧に見る必要があると感じています。 コミュニティ交通の利用者についてもご指摘のとおりかと思いますが、対象となる人が少ないとしても、その重要度はかなり高いと考えます。そういった面からも維持する必要はあると考えます。 確かに利用者1人あたりの輸送費は大きくなりがちですが、利用者数が少ないところはトータル金額があまり大きくありません。そういうところは分析結果でも持続可能なほうにうまく効いてきていたので、その点は知見が得られたかなと考えます。 運転手の報酬が少ないことが人材不足の要因になっているというのはそのとおりかと思います。ヒアリング調査でも「人材不足というが、お金さえしっかり出せば、人は来ます」と回答がありました。そのお金をいかに得るかが大事だと思います。「若い人になるべく声をかけてはいるが、お金のことや自由に自分の時間がとれなくなることから、なかなかやってくれる人がいない」という意見もありました。 地域による負担の事例には、地域住民からの寄付や、企業や病院、商店からの広告費というかたちで得ているところもあり、そういうのをうまく利用していくのも重要かなと思います。 板谷先生がおっしゃった事例は石巻の「いない号」かと思います。1世帯あたり約600円を利用しない世帯からも集めて、地域のコミュニティ交通を維持する取り組みです。協力金を全世帯から得ることによって、自分たちの公共交通だと認識してもらうことにも効果があるようです。 この事業のモデルが未確立というのは本当にそのとおりかなと思いますが、今回ヒアリング調査で、他事業とあわせてうまくやれているところからは今後も持続の見通しがあるという回答が得られています。他事業とのミックスとか、いろんな団体と関わりながらやっていくことが重要と思う反面、それができるところばかりではないので、難しさを感じます。 司会:板谷さん、よろしいですか。 板谷:ありがとうございます。適切にご回答いただいていると思います。 財源は重い課題です。今のやり方ではなかなか解決できないと感じています。 諸外国に目を向けると、例えばガソリン等の税収の一部を公共交通だけに使うことを時限立法で成立されている国が幾つもあります。あと、事業所税を公共交通に使うとか。 これは別の視点からの研究になりますが、新たな財源の検討も含めて費用負担のあり方、公共交通の重要性について引き続き、きちっと多くの皆さんに提示していくことが必要かと思います。 どうもありがとうございました。 - 34 -
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