平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 41 - う点です。 豊田市でできるかどうかという話もされていましたが、こういう成果が出てくると、最終的には一般論として通用するかということが知りたくなります。大都市圏あるいは山間部といった非常に幅広いところでデータがとれて活用できれば、それが一番望ましいと思いますが、そういった可能性はあるのでしょうか。 長々失礼しましたが、ぜひ教えてください。よろしくお願いいたします。 福本:質問とコメントをありがとうございます。 1点目のモデルの精度についてです。 迎車なしの場合はタクシー乗り場から乗ることになりますが、豊橋市の場合はほとんど豊橋駅近辺で乗っているので、単に駅の乗降者数に依存してしまうのかなと思っています。 豊橋市で分析するのが適切かどうかという議論も一方であります。例えば名古屋市で地下鉄の駅ごとの乗降者数とそこでのタクシー利用者数で分析すれば、かなりバチッと相関があると思いますが、豊橋市の場合は豊橋駅一強で、そこに完全に引っ張られてしまうので、モデルの精度が上がらないのも仕方がないのかなと思います。 乗り場の種類による違いはあると思います。豊橋市の中でも渥美線という私鉄の主だった駅前でタクシーに乗っている人の数とか、延辺部でコンビニに置かれているタクシー乗り場とか、病院の前とか、タクシー乗り場の種類はいろいろありますので、それによって違うのかなとは思っています。 迎車ありとなしで全く利用のされ方が違うということがここのモデルに表れていると思っていますが、そこの精度を上げていくというか、目的別でモデルを作っていくのはあり得るのかなと思います。 次に、初乗り利用と初乗り利用以外で何が違うかというところです。 これも同じで、初乗り利用と初乗り利用以外では使っている層が違うのだろうという気がしています。この係数から何を見いだせるかというところはなかなか難しいのですが、これも分けて分析することが1つのあるのかなと思っています。 次に、天候の話で、短距離の利用が大幅に増加しているために平均値が下がっているのではないかという指摘についてです。 その可能性は恐らくあると思いますので、これから見ていければと思っています。 次に、迎車の有無によって雨天時の利用の特徴に違いがないかという点です。 これも感覚的なものですが、迎車がない場合は使っている距離帯はあまり変わらないと思っています。出張で来たので、どっちみちタクシーに乗るとか。一方で、迎車ありについては、普段は歩いているが、タクシーをわざわざ呼んで乗ることがあるだろうと見ています。 デジタコだけで見られるかどうかは怪しいので、追加的な分析、あるいは、新たにデータをとる必要もあるのかなと考えています。 次に、学術的な意義についてです。 タクシー事業者さんの経営改善はそれぞれの事業者でやってもらえばいいことですが、地域の交通を担う主体としてタクシー会社は大きな役割を担っていると思っていますので、タクシー会社があまりボコボコつぶれられてもという思いはあります。 今回、2つの事業者のデータを一緒に分析したことも大きな意義だと思っています。それぞれの事業者のデータを分析すると経営改善の話になってしまいますが、地域の中の移動がどうなっているのか、地域交通の中でタクシーはどういう役割を果たしているのかを見るという意味では学術的な意義があるのではないかと思っています。 次に、データの詳細化は可能かという点です。 最後のところで申し上げたとおり、今年度は利用者の属性をとる研究を別途進めていますが、そこの最終目的はまさしくPOSだと思っています。タクシー版POSみたいなものをつくれば、事業者さんにとってすごくメリットがあるし、そのデータを出してもらうと地域の交通政策にも生かせることを目指していきたいと思っています。 最後に、他の地域でも分析可能かという点です。
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