平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 38 - 最後に、課題と今後の展開です。 デジタル日報データにも限界がありまして、利用者の属性、男女の分かるデータはありますが、年齢層、あるいは、どういう利用目的で使われたか、通院なのか、買い物なのかといったことが分からないという弱点があります。 もう1つ、今回は豊橋市で分析しましたが、他の地域でも同じことがいえるのか、豊田市ではどうか、他の地方都市ではどうかということは分かりませんので、同様の分析を他のところでも行う必要性があると考えています。 そこで今年度は、豊田市内において、タクシー事業者さんの協力を得て、アンケートで日報データを補完する調査を行うこと、デジタコのデータを豊田市でも分析して豊橋市と同じような傾向が見られるかどうかを見ていくことを考えています。成果が出ましたら、皆様にご報告したいと考えています。 私の発表は以上になります。ありがとうございました。(拍手) 司会:本研究のコメンテーターを流通経済大学教授 板谷和也様にお願いしています。 板谷先生、よろしくお願いいたします。 板谷:ご紹介いただきました流通経済大学の板谷と申します。千葉県と茨城県にキャンパスのある大学で教員をしています。10年ほど前に豊田都市交通研究所の研究員として主に公共交通に関わる研究をしていました。今も鉄道と路線バスを中心とした研究活動をしていまして、それで公共交通に関わるご報告のコメントをお願いされたと思っています。スライドを見ながらコメントをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 本研究の一番の意義は、今まであまり使われてこなかったデータの分析が行われたことです。タクシー事業の改善には利用実態の定量的な把握が必要だと思っていますが、なかなかデータが表に出てこなくて、特に学術的な利用がしづらいところがありました。こういうデータを活用されて、実際にタクシー利用の多い地域はどこなのか、雨の日にタクシー利用が増えることは分かっているが、実際にどのくらい増えるのかといったことについて定量的に把握されたことは大きな意義があると考えます。少なくとも私はこうした分析事例を今までにほとん

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