平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 37 - これは雨天時と晴天時で利用者層がそう変化しないためではなかろうかと考えられます。迎車なしはタクシー乗り場から乗る利用なので、酔っ払って乗るか、昼間は商用、ビジネスで使われるケースが多いと思われます。そういう人たちは雨が降ろうが、降らなかろうが、同じような利用のパターンをしているということかと考えられます。 結論として、雨天は迎車ありの利用に非常に大きく影響を及ぼすことが見えてきたわけです。 次に、雨天時に利用が極端に増える地域を見てみた結果がこちらになります。 迎車なしと迎車ありともに、色が濃くなるほど雨天時に利用が増える傾向にある地域です。 迎車なしでは、タクシー乗り場があるところ、駅の近くで利用が増えているという当前の結果です。 迎車ありでは、繁華街からちょっと離れたところ、すなわち、住宅街の辺りで利用が多い傾向が見てとれます。一般の居住者の方が雨のときにタクシーを使われる傾向が多いのかなと考えています。 天候とタクシー利用の関係をまとめますと、雨量が増えるほど利用は増える。雨が降ると利用は増えるが、利用距離は短くなる傾向にあり、その傾向は迎車ありの利用で特に顕著である。雨天時に利用が増える地区は、やや郊外寄りの住宅の多そうなところで顕著である。こういうことが見えてきました。 以上をまとめます。 地区特性とタクシー利用の関係では、利用を増やす要因は人口、高齢化率、タクシー乗り場、利用を減らす要因は豊橋駅や最寄り駅までの距離が遠くなることといったことが分かりましたので、高齢者が多い地区にタクシー乗り場を作れば、利用者の方は便利になって、もっと使っていただけるのではないかと考えられます。タクシー会社さんがタクシー乗り場を増設される際の参考にしていただければと思います。 天候とタクシー利用の関係では、雨が降っているときはやや郊外寄りで短距離の予約配車が増加する傾向にあることが見えてきましたので、タクシー会社さんは雨が予想される場合は郊外寄りの住宅の多そうなところに手厚く配車されてはどうか。そうすれば、利用者は電話で呼んだタクシーが到着するまでの待ち時間を減らせるし、タクシー会社さんとしても数少ない車両をうまく回すことができるのではないかと思います。 今までもタクシー会社さんは経験と勘で配車されていますが、データを使ったより詳細な分析を活用することでタクシー事業の活性化につなげられたらと考えています。

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