平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 33 - クシーを呼ぶか、タクシー乗り場に行って乗るか、いずれかになります。 なぜ豊田の研究所が豊橋の分析をしたのかと思われると思いますが、これには理由がありまして、平成27年度に中部運輸局からタクシーの分析に関する受託研究をいただいた際、入手したデータを追加的に分析してもいいとご許可をいただきましたので、このデータを活用して分析を行ったためです。 分析に使ったデジタル日報データについて説明します。 タクシー運転手は、お客さんをどこで乗せた、どこで降ろしたという記録を日報に書くのですが、今では紙に記録するのではなく、デジタルタコグラフ内蔵タクシーメーターを導入する事業者が大手を中心に増えています。運転手がボタンを押すと、利用者をどこで乗せたか、降ろしたかをGPSで記録しますし、その時刻、運賃、人数、迎車の有無などを自動で記録し、一日の運行が終わったら、そのデータが自動的に吐き出されて日報ができる、そういう機械です。 このデータは各タクシー事業者が蓄積しているわけですが、それが今まではあまり分析されてこなかったのです。そのデータを今回分析してみたということです。 豊橋市で4社のうち2社、236両のタクシーにデジタコが導入されています。7割以上の車両に導入されているということです。 2014年度の1年間、約100万件のデータを分析した結果をこれからお話しいたします。 まず、デジタコのデータから分かった豊橋地域におけるタクシーの利用状況を説明いたします。 こちらは地区別乗降者数を表した地図です。地区別乗車数がオレンジのほう、降車数が緑のほうで、色が濃くなるほど数が多いことを示しています。 豊橋駅や二川駅、鉄道駅のある辺りの色が非常に濃くなっています。鉄道駅周辺での乗車や降車は非常に多いが、郊外部の利用は少ないという地理的分布になっています。 こちらは時間的な分布を見たものです。時間帯別・曜日別にグラフを作っています。横軸が時間です。迎車がない場合とある場合で多少傾向が違っています。 迎車なしはタクシー乗り場から乗るものですが、曜日を問わず、夜の時間帯で利用が多くなっています。お酒を飲んだ後にタクシー乗り場で乗るとか、終電や終バスがなくなった後にタクシー乗り場から乗るといった利用が増えるため、夜に利用が増加するものと考えられます。 一方、予約配車で乗る迎車ありは、曜日によって利用状況が大きく違って、平日は午前中にピークが

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