平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 32 - 者や障害者の移動にタクシーは非常に大きな役割を果たしています。 タクシーは鉄道やバスのみでは実現できない移動を提供する交通手段としての可能性を秘めており、今後、高齢化がどんどん進む中で、タクシーを交通施策の中にどう取り込んで活用していくか、非常に期待されていますし、取り組んでいかなければいけないという背景があります。 ところが、タクシーは非常に現在厳しい状況におかれています。 こちらはタクシーの輸送人員の経年変化を表したグラフですが、ご覧になって分かるように、利用者数はどんどん減り続け、現在の利用者数はピーク時の半分以下になっています。 こういった状況の中でタクシー事業者は収入の確保に苦しんでいる上、近年は運転手不足という問題もあり、タクシーサービスを今後も維持していくことができるかどうかの瀬戸際に立たされているといえます。 タクシーサービスを今後も維持し、地域の交通の中で活用していくには、利用者を増やす活性化がどうしても必要であると考えます。 そこで、本研究の目的の1つ目は、タクシーの利用に影響を及ぼす要素を把握することです。地区の特性がタクシーの利用にどういう影響を与えるかという構造を見ていきたいと思います。 目的の2つ目は、天候の変化がタクシーの利用にどういう影響を及ぼすかを探ることです。特に雨天時はタクシーの利用が非常に多いということで、そこに着目して分析を行います。ここをマーケットとしてもっと確保していかなければいけないと考えています。 デジタル日報データを使って分析した結果を今からお話ししますが、その前に分析対象地域のタクシー利用状況について簡単にご説明しておきます。 対象地域は愛知県豊橋市です。人口37万人ぐらいの東三河地方の中心都市です。 この地域にはタクシー会社が4社ありまして、312両のタクシーが営業しています。今回は個人タクシーのデータは対象としていません。年間輸送人員は約174万人です。豊田もそうですが、タクシーの流し営業はされていませんので、予約をしてタ

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