平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 29 - 嶋田先生、よろしくお願いいたします。 嶋田:ただいまご紹介いただきました大同大学の嶋田です。豊田市の交通事故対策や自転車通行空間の整備に若干携わらせていただいています。ちなみに、運転マナーが悪い、事故が多い福井県出身です。 楊主任研究員の「交通事故データによる高齢運転者の法令違反の特性分析」についてコメントさせていただきます。 本研究は実際の事故データを用いた実証的分析により、昨今、社会問題化している高齢ドライバーの事故対策に寄与することが本研究の特長であり、評価される点といえます。 具体的には、高齢ドライバーと非高齢ドライバーによる事故発生状況や事故時の違反種別を比較分析することによって、高齢ドライバー事故の傾向や特徴を見いだしています。特に、従来あまり分析されてこなかった事故類型と高齢ドライバーの違反特性の関連から、高齢ドライバーが陥りやすい危険運転を明らかにしています。それらにより、ドライバー、道路管理、車両開発、各観点から対策をご提案されています。 確認、質問したい点の1点目は、運転者側の事故対策として操作不適や動静不注視などに着目した安全教育が挙げられていますが、それらの違反は教育でどうにかできる問題というよりは、高齢による身体的な原因によるところが大きいのではないかと考えます。こういったものをどのように安全教育でカバーしていくのかという点です。 2点目は、本研究の成果を踏まえ、今、実施されている高齢者講習制度などに導入すべき事項について、お考えを聞かせいただきたいと思います。 あと、これは特に答えていただく必要はありませんが、今後検討いただきたい点を挙げさせていただきます。 さらに詳細に事故対策を検討するには、高齢ドライバーの事故発生状況や加齢による運転能力の低下と、違反行為の関連性、こういったものも分析していく必要があるのではないかと思います。 加えて、より危険とされる75歳以上の後期高齢者と前期高齢者の比較分析もあるといいと思います。 また、先ほどドライバー、道路側、車両側、それぞれ対策のご提案がありましたが、例えば高齢ドライバーに対する有効な交通規制や取り締まり等はないか、交通管理という観点からもご検討されるといいと思いました。 まず、確認・質問したい2つの点にコメントをいただければと思います。 楊:コメントとご質問、どうもありがとうございま
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