平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 28 - このグラフは追突事故の違反種別別構成比を示したものです。 高齢者の追突事故で最も多い違反種別は前方不注意です。非高齢者と比べて操作不適の割合が高いことも分かります。 ここで高齢者の違反特性についてまとめます。 高齢者が最も多い違反特性は安全不確認ですが、事故類型別からみると、人対車両、出合い頭、右折事故では安全不確認、車両単独事故では操作不適、正面衝突、追突事故では前方不注意です。 次に、非高齢者と比べて高齢者に多い違反特性は、ここで示したとおりで、人対車両、追突事故では操作不適、出会い頭事故では一時不停止、右折事故では動静不注視です。 特に高齢者事故特性の分析結果で、非高齢者と比べて高齢者が多い事故類型である人対車両、車両単独、出合い頭、右折事故に注目し、非高齢者と比べて多い違反種別に着目した対策が必要です。 最後は、高齢者事故対策についての提案です。 まず、運転者側の対策として、本研究が明らかにした高齢者の違反特性を踏まえた安全教育が望まれます。特に操作不適、一時不停止、動静不注視に着目した教育カリキュラムの設定が重要です。 道路側の対策としても豊田市の高齢者事故特性を踏まえた対策が望まれます。無信号交差点での道路標識の大型化などが挙げられます。 車両側の対策としてもこの研究で明らかにした高齢者事故・違反特性を踏まえた対策が望まれます。操作不適を防止する先進運転支援システムの普及などで、軽トラックのような安い車にも先進運転支援システムの設置が検討されることを期待しています。 私の発表は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 司会:皆さん、ご清聴ありがとうございました。 ただいまの報告に対するコメンテーターを大同大学教授 嶋田喜昭様にお願いしています。

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