平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 24 - 皆さんがご存じのとおり、高齢運転者の運転免許更新手続きが改正され、今年3月12日に臨時認知機能検査と臨時高齢者講習が新設されました。 この図は改正後の高齢者講習の流れを示したものです。認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為をした75歳以上の方は臨時認知機能検査を受けることが義務づけられます。さらに、臨時適性検査又は主治医等の診断によって認知症と判断されたら、運転免許が停止または取り消しとなります。 こういう流れを考えると、高齢者の違反特性を明らかにすることは非常に重要です。それによって高齢者講習をより適切な内容にすることもできます。 研究目的の1つ目は、高齢運転者の交通事故特性を明らかにすることです。豊田市の交通事故データを用いて、豊田市の高齢運転者の事故特性を明らかにします。 2つ目は、高齢運転者の違反特性を明らかにすることです。高齢運転者の違反特性に関する研究は少なく、事故類型別の高齢運転者の違反特性がまだ明らかになっていません。交通事故データを整理することで、事故類型別の違反特性を明らかにします。 本研究で用いた交通事故データは、平成21年から平成25年に豊田市で発生した人身事故のデータで、愛知県警から受領したものです。 データの抽出条件は、四輪車を運転している者でかつ、交通事故関与者のうち、第一当事者となる者です。分析用サンプル数は65歳以上の高齢者は1,404名で、65歳未満の非高齢者は8,703名です。分析に使用したデータ項目はここに示したとおりです。 本研究の分析の流れです。 まず、高齢者の事故特性を分析します。事故データの基礎集計結果から高齢者に最も多い事故特性を把握します。また、非高齢者と比べて高齢者はどういう事故が多いか、どういう事故が少ないかという特徴を把握します。 次に、高齢者の違反特性を分析します。事故類型と違反種別のクロス集計結果から、高齢者に最も多い違反種別、また非高齢者と比べて高齢者に多い違

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