平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 20 - しれないという期待を込めて、私からの発表を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) 司会:ご清聴ありがとうございます。 ただいまの報告に対するコメンテーターを豊橋技術科学大学大学院助教 松尾幸二郎様にお願いしています。 松尾先生、コメントをお願いいたします。 松尾:大変興味深いご発表をありがとうございます。 私は豊橋技術科学大学の松尾と申します。専門は交通工学で、交通安全や公共交通のことを研究しています。その関係もあって今回コメンテーターとして呼んでいただきました。貴重な機会をありがとうございます。 スライドを3枚用意させていただきました。 15分ぐらい時間があるということでしたが、せっかく多くの方に来ていただいていますので、コメントしている間に考えていただいて、ぜひ質問をしていただければと思います。 西堀さんの研究が交通事故分析の中でどんな位置づけにあるかを考えてみたので、それを最初に説明させていただきます。 交通事故は大きな社会問題ですので、いろいろと分析されてきていますが、2つの軸で考えられるかと思います。 1つは、ミクロとマクロです。 ミクロは細かく見るというか、森と木なら木を見る方法です。どこかの地点で事故がたくさん起きていたら、その現場に行って、どういう状況で事故が起きたか、そこでは普段どういう運転がなされているのか、そういうのを細かく見ていく仕方です。こういう運転をしているから危険だというふうに直接的な要因を分析し、直接それに効果がある対策をとっていくことになります。 一方、マクロはもっと大きな範囲で、この地域でどのくらい、どういう事故が起きているか等、県あるいは国際的な比較、そういう大きな視点で見るような分析方法です。 今回の西堀さんのご報告はマクロ、大きい視点でのご報告になるかと思います。分析結果がすぐにどこか局所的な交通事故対策につながるわけではありませんが、間接的に影響している要因が分かりますので、全体的あるいは少し政策的に、先ほど市長からもお話がありました「歩行者保護モデルカー活動」とか、そういう政策的な対策を打っていくための知見が得られます。 もう1つの軸は、何度も出ています要因の話で、人的要因か、環境要因か。今回は道路側と車両側と合わせて環境要因としていますが、人による要因に着目するのか、道路や車両に関する環境的な要因に注目するのかということになります。 今回の西堀さんの研究は、人的要因と環境的要因の両方を分析していて、少し大きな視点からですので、この辺りになるかと思います。したがって、直接の道路構造がどうかということよりも、その地域、都市の状況、集積状況や交通運転マナーに注目されています。

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