平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 19 - もう1つ、運転マナーについてです。 この表は先ほどご紹介したJAFのアンケート調査結果を基に運転マナーの状況をまとめたものです。10個の項目のワースト10を表に整理しています。 香川県が一番多く9項目、次が愛知県の7項目、その次が福井県の6項目です。 先ほどのグラフで香川県と福井県は人口あたりの死亡事故件数が多かったのをご記憶でしょうか。愛知県はそれらの県と肩を並べるぐらいの運転マナー水準であるという見方もできるかと思います。先ほど死亡事故に関係する10指標では運転マナーの指標は1個しか出ていませんでしたが、運転マナーはもう少し順位の低いところで関係している可能性があるかと思います。 歩行者が横断歩道を渡ろうとしているときには車は一時停止しなければならないことを知っていて実行している割合は全国で7割です。市長のおっしゃったとおりの数字です。一部の運転者で基本的なルール・運転マナーが欠如していると言えます。 交通ルールを守るという極めて基本的な行動が交通事故を削減する上でも重要であると統計的にも示されたと考えます。法令違反に関係するものだけではなく、「歩行者、お先にどうぞ」という気持ち、思いやりも大事であることが今回の研究で明らかになっていますので、ここは強調したいところです。 運転マナーの向上に向けては「啓発」という緩やかな表現ではなく、「再教育」が大事ではないかと考えています。10人、100人に行っていても、焼け石に水ですので、少なくとも5年に1度は必ず受ける運転免許更新時講習を使って教育をしていくといいのではないかと考えます。 最後に、まとめです。 全国の傾向から考えられる交通安全対策として、運転者全体の運転マナーの向上と高齢運転者に対する先進運転支援システムの普及促進を提案したいと思います。 愛知県の「交通事故死“全国ワースト1位”返上」に向けた提案としては、先に挙げた2つは特に愛知県で有効に働きそうだと分かりましたので、再度強調しておきたいと思います。“あいちモデル”と書いていますが、自動車産業の中心地であることも踏まえ、例えば「新車に限定しない先進運転支援システム普及促進」「運転マナーの再教育・基本的なルールの徹底!」を行っていくこと。これらが「交通事故死“全国ワースト1位”返上」につながるかも
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