平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 15 - 先ほどお見せした例えば人口あたりの死亡事故発生件数といった「交通事故の発生状況」を説明するために、「交通事故リスクの大きさ(リスク暴露)」と「交通事故の起こりやすさ(発生確率)」との関係を見ます。 「交通事故リスクの大きさ(リスク暴露)」では、例えば2万台の自動車が走る道とか、1万人が歩く道、5,000台の自転車が走る道、いろんな対象がたくさんいるかいないかということを取り上げます。 もう1つの「交通事故の起こりやすさ(発生確率)」では、同じような台数の車が走る道でも、500万台に1台が事故を起こす道もあれば、50万台に1台が事故を起こす道もあるので、そういう見方を取り入れます。 「交通事故の発生状況」で使用するデータは、人口あたりの交通事故件数、人口あたりの死亡事故件数等々。 「交通事故リスクの大きさ」に関しては、自動車分担率、徒歩分担率、そういったものを使います。 「交通事故の起こりやすさ」に関しては大きく3つ挙げています。道路交通環境として、人口あたりの信号機数、雪日数率、平均走行速度。社会経済環境として、高齢化率、人口あたりの県民所得等々。運転マナーについては、JAF(日本自動車連盟)の調査データの使用許可をいただきましたので、そのアンケートの結果から、例えば先ほども話題になりました横断歩道で一時停止しない車が多いと感じる割合とか、そういったものを使います。 こちらが着目する交通事故の種類です。上の2段が全事故、下の2段が死亡事故のデータを示しています。それぞれ上が全年齢、下が全高齢者という形で整理しています。 高齢者に特に多いのは、全事故では出合い頭事故、死亡事故では車両単独事故です。 そこで、全事故と死亡事故の全年齢と、高齢者に特に多い全事故の出合い頭事故、死亡事故の車両単独事故について着目して分析を行いました。 分析に用いた相関係数の説明をしますと、2つの指標の関係を示す指標で、最大は1.0です。そのときにはこういうきれいな関係が見えます。最小は0.0で、ばらついている状況です。符合はプラスとマイナスがありまして、傾きの方向を示します。 以降で分析結果を示しますが、「交通事故の発生状況」と関係の深い10指標をお示しします。類似の指標については相関が強いほうの指標を残して表示しています。

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