平成29年度 研究成果報告会開催記録
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- 14 - 先ほどのグラフを人口を横軸にとって見てみたのがこちらです。 市長の話にもありましたように、愛知県の人口あたりの死亡事故件数は少なめですので、そんなに悪くないという印象も受けますが、愛知県と人口規模が同じような埼玉県と比べてみますと、1.2倍ぐらい多いことが分かります。 逆に、人口あたりの死亡事故件数が同じぐらいの千葉県、兵庫県、福岡県の人口は、愛知県の7割、8割程度です。 愛知県が「交通事故死“全国ワースト1位”」を返上しようと思うと、人口は簡単に変わらないので、ここの差を縮めないといけませんが、それにはなぜここに差があるかを考える必要があります。それを今回の研究で見ていきたいと思います。 地域ごとの特性を踏まえた交通事故の起こり方が分かれば、それを踏まえた交通安全対策の提案ができるでしょうし、もう1つ、先ほど葛巻様のご発表に人と車と道路の三位一体という話がありましたが、ここでは人にも着目して事故との関係を分析したいと考えています。よく名古屋走りといわれるような地域特有の交通運転マナーについて取り上げます。そして、先ほどから話題に出ています高齢ドライバーの事故の話です。特に豊田市には車なしでは生活できない方もいらっしゃいますので、高齢社会を見据えた安全対策の検討が必要だと考えます。 こういった背景を踏まえ、高齢社会を見据えた交通安全対策を検討するための知見を提供することを研究目的としました。 そのために、先ほどから申し上げていますように、県別の事故データを基に、事故発生状況に影響する地域特性を、特に愛知県に着目して分析するとともに、第一当事者が高齢者である事故についても分析を行います。 分析の考え方をご説明します。
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