平成27年度 研究成果報告会開催記録
49/63
- 8 - います。 設置を望む理由としては、ゾーン30や速度遵守の意識づけができる、安全性の向上が期待されるという回答がありました。 「設置しなくてよい」「わからない」といった方の自由記述には、効果が限定的ではないか、費用対効果が不明である、表示によって注意散漫になるといった悪い方向の副作用が予想される、といった意見がありました。 住民意識調査のまとめです。 まず、表示内容は適切に理解されていました。 速度抑止効果としては、行動変化を促す効果を発揮していました。 機器については、今日結果をお示ししませんでしたが、非常に好意的に捉えられていました。 表示内容については、「ゾーン30」を表示するパターンの評価が高くなっていました。走行実態調査でも同様の結果が出ています。 継続的設置および普及推進については、継続設置してほしいという意向が強く、効果次第ではさらなる整備についても要望があります。 最後のまとめです。 この取り組みにより、交通量削減効果は認められませんでしたが、設置箇所前後の長い区間で30キロ以下へ誘導する効果が確認できました。物理デバイスに見られる速度回復行動、つまり、ハンプを越えるところでは速度を落とすが、ハンプを越えた後、また急にスピードを上げるという現象が確認されなかったこともDSDSの成果です。設置場所の工夫をすることで広範囲に効果発揮できると考えています。 住民の受容性は高く、効果への期待も高いものがあります。特にゾーン30であるよとお知らせすることに効果があるのかなと考えます。 実験後、刈谷市は本格導入と書いてありますが、刈谷市さんはこの流れの中で県からの補助と刈谷市からの負担金があり、実験で使った機械をまずは刈谷市に設置しましょうということになりまして、実験場所に実験で使った機材を設置させていただいています。 最後に、普及に向けた課題です。 1つ目、より効果を発揮する設置箇所を検討していく必要があります。もちろん物理デバイスの設置も含めて考えていく必要があるでしょう。 2つ目、費用対効果という話がありましたが、この検証と提示をきちんとやっていかなければいけないと思っています。 3つ目、これは我々の手を離れて行政側の話になるかと思いますが、管理運営体制の協議をきちんとやっていくことです。そうではないと導入は難しいと感じています。
元のページ
../index.html#49