平成27年度 研究成果報告会開催記録
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- 10 - 今回は、これまで発表されることがあまりなかったタクシー業界の実態を明らかにしていただいたことは非常に評価されるところです。 そこで、質問です。 タクシーは今後、障害者や高齢者の移動に活用が期待できるということでしたが、タクシー事業環境を分類する変数の中に、こういうものは入っていなかったかというのが1つ目です。それを入れていただくことによって、どの地域がどういう業態に変わったらいいのかが見えてくるのではないかと思います。 2つ目は、平成の大合併によってエリアが大きくなったことで、結果が平均化されてしまったのではないかということです。旧町村、もう少し小さく分けていただくと、その特徴が明確になったのではないかと思います。 3つ目は、タクシーを介護などにも利用したらどうかという提案ですが、福祉有償サービスが現存する中で、すみ分けをどうしていくのかという点です。 この3つを質問として挙げさせていただきます。よろしくお願いします。 司会:野田先生、ありがとうございます。 それでは、福本さん、ご質問とコメントに対する回答をお願いします。 福本:まず1つ目です。クラスター分析を行う中で、高齢化率とか、そういった変数も投入してみましたが、あまり効かなかったので、外したという経緯があります。 ただ、これは2つ目とも関係すると思いますが、地域の集計単位を考え直すことによって、また効いてくる場合もあるかと思いますので、今後も深掘りして検討していきたいと考えます。 2つ目については、今回は分析対象地域の単位として、市町村よりも大きなタクシーの営業許可の単位である交通圏を使っています。交通圏は愛知県内に6つありますが、複数の市や郡の単位で取りまとめられています。合併もそうですが、それ以前に交通圏という単位が非常に大きいので、データが平均化されているというのは当然あると思います。例えばタクシー事業者の本社の所在地の市町村単位で分類するとか、何かしらの案分を行うとかいうことで対応できるかも知れませんので、今後こういった視点で分析をしてみたいと考えています。 3つ目、福祉有償運送とタクシーのすみ分けについてですが、福祉有償運送もタクシー同様、運転手の高齢化など担い手不足の問題が出てきています。タクシーが使えるところはやはりプロの運転手、プロの事業者に担ってもらうことで、言葉はよくないかもしれませんが、安全が買えるのなら、そのほうがいいのかなと考えています。中山間地域でタクシー事業者がないような場合には、福祉有償運送を使っていくとか、地域によってすみ分けをしていくことが必要かと考えています。 司会:先生、よろしかったでしょうか。 野田:ありがとうございました。 (以下、会場からの質問は掲載割愛)

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