平成27年度 研究成果報告会開催記録
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- 8 - 1つは、中山間地域のモビリティの実態を細かく調査されたことです。非常に分かりやすかったと思います。 2つ目は、推定活動量から自動車を運転している高齢者のほうが活発である、エネルギー消費が大きいことを解いてみせたことです。非常にユニークな分析だと思います。 3つ目は、自動車の運転をやめた後の移動手段の意向分析により、公共交通の利用経験の重要性を指摘したことです。公共交通の利用経験のある人が公共交通へ移行しやすく、そうでないと戸惑うので、なるべく若いうちから公共交通をお使いいただくことが重要だと説明されました。 4つ目は、買い物や通院などの生活実態に即した公共交通への改編が必要と提案されたことです。3地区のアンケート調査及び移動の状況から、パーソントリップ調査では出てこない利用実態を明らかにし、ネットワークをつくるべきではないかと提案をされています。 5つ目は、自動車の役割を再確認したことです。自動車を使っている人が健康だと。私も一時やめていた車に最近また乗り出しました。これがいい刺激になっているようです。 6つ目は、公共交通の利用促進に向けた課題や方法の方向性を考察されたことです。最後のまとめとして掲げられています。 非常にタイムリーなポイントを突いたテーマで、大変勉強になったと思います。 コメントと質問をすること、そして、フロアの皆さんとやりとりすることになっていますので、私の問題意識を4点申し上げたいと思います。 1つは、アンケートの精度向上策についてです。都交研さんは自治区や豊田市さん、行政を通じてアンケート調査ができ、その回収率も非常に高いということで、全国でも恵まれた組織だと思います。私のところにも行政機関や研究機関からたくさんのアンケートが来ますが、回答するのは大変です。特に高齢者対象の調査では、実態とアンケート結果には微妙な差が出てくるのではないかと思います。研究者として高齢者向けのアンケートをどういうふうに考えられているのか、コメントをお願いします。 2つ目は、公共交通利用促進策の着眼点についてです。もともと利用していた人が利用しやすいのは当たり前のことで、利用促進のための具体策が問われるだろうと思います。私も高齢者で、公共交通の利用には抵抗がありますが、利用せざるを得ない状況の中、促進策についてのアイデアがあったら、教えてほしいと思います。 3つ目は2つ目とつながりますが、免許返上についてです。私もそろそろ免許返上かなと思いますが、
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