平成27年度 研究成果報告会開催記録
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- 5 - 「バス」「タクシー」「福祉サービス」と回答された方をサービス選択群、「家族の送迎」と回答された方を家族送迎群」、「わからない」と回答された方を未検討群とし、健康状態や日常生活の実態、公共交通の利用経験などを用いて、どういう人がどう選択しているかを分析したところ、公共交通を利用しようと考えている人に最も影響した要因は公共交通の利用経験でした。公共交通の利用経験がある方は、自動車の運転をやめた後は公共交通を使うということです。 これは全国各地で実施されている公共交通の体験イベントの取り組みを支持する傾向にあると思います。この結果、60歳を超えた頃から公共交通を利用する経験をしていただくことによって、公共交通の利用促進が図れるのではないかと考察されます。 続きまして、最も期待されている公共交通に求めるサービスです。 こちらはアンケート調査票で提示した公共交通サービスの例です。料金、安全性、乗降場所、運行時間、この4つの解説と良い事例、悪い事例を調査票に述べて、重要度を評価していただいた結果、最も求めるサービスは安全性でした。免許を持った会社や運転手による安全な運行を望んでいるということです。 最後に、公共交通の利便性向上に向けたヒントです。 先に公共交通の現状を解説しますと、豊田市では基幹バスと地域バスという2階層の公共交通ネットワークが整備されています。基幹バスは都心と中山間地域を結ぶ幹となる公共交通で、その幹に接続する形で地域バスが運行されています。地域バスは小原地区なら小原地区内、旭地区なら旭地区内など、その地区を運行範囲として設定されています。 ところが今回、主な買い物先と通院先を調査してみたところ、このように各地区から他の地区に出ているという実態が明らかとなりました。 日常生活の動きをしっかり把握して、生活実態に即した公共交通へ改編することが利便性向上に向けた大きなヒントになると思います。実態を踏まえ、より使い勝手のいい公共交通につくり上げていくことが求められます。
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