平成27年度 研究成果報告会開催記録
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な視点を入れた路線評価制度を構築・運用し、バス路線の改編などを行うことです。 さらには、エコ交通、イベント開催、ITSを活用した情報発信など、各種利用促進策の展開です。 この3本の柱の下、現在の「公共交通基本計画」を進めてきたところです。 現在、次期「公共交通基本計画」を策定中です。国の都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画制度、それから、公共交通では地域公共交通活性化再生法、こういった動きを見据えながらつくっていくことになります。 国の動きはコンパクトシティの形成を見据え、都市機能を集約させて公共交通のネットワークで結ぼうという流れにあります。豊田市では現在の総合計画を既にそれと同じ考え方で策定していまして、もともとあった拠点に都市機能、生活機能を集積させ、それを公共交通で結ぶことを進めてきていますが、今まで以上の人口減少、超高齢社会が進む中、市街化区域でも空き地や空き家が出ることも想定し、より集中的に人を住まわせるような場所、都市機能を集積する場所を明確にしていくことが求められています。 豊田市では、次期総合計画、第8次総合計画を今年度、来年度の2カ年をかけて策定いたします。「公共交通基本計画」もそれに連動した形で今年度、次の目標に向かって策定していきます。 主な視点としましては3項目が挙げられます。 1つは、公共交通ネットワークの質の向上です。カバー率といった面では形が見えてきましたが、質の面ではまだまだ不足しています。具体的には、目的地までに乗り継ぎが2回、3回ある、あるいは、乗り継ぎに時間がかかる、時間あたりの本数が少ない、特別な乗車券で乗りやすい環境になっていないといったことです。それらサービスレベル向上とともに、定時定路線のバスだけではなく、乗合タクシーや路線デマンド、エリアデマンド等、いろんな運行形態を含めて検討し、質を上げたいと考えています。 2つ目は、まちづくりとの連携です。地域の活性化を目指し、地域のまちづくりとの連携、あるいは、イベント、観光地と連携した形で公共交通を考えていくべきだろうと考えます。 3つ目は、豊田市らしさといった意味で、先進的な公共交通システムの導入です。これまで行ってきた次世代車両の導入、シェアリング等の実証結果を「公共交通基本計画」に反映すべきと考えています。 続きまして、おいでんバスへの共通ICカード決済システムの導入状況について紹介させていただきます。 すべての交通機関を同じカードで利用したいといった利用者からの要望と公共交通ネットワーク全体の利便性の向上といった流れの中で、2013年3月より主要な交通系ICカードの全国相互利用が開始されました。今では全国47都道府県のうち37で使える状況になっています。 豊田市でも来年4月より基幹バスであるおいでんバスに共通ICカードが導入されます。 期待される効果としては、同一カードでおいでんバスも利用できる、小銭が要らない、乗降時間が短縮される、特にバスの定時性がこれで確保されるのではないか、といったことがあります。また、ここには書いてありませんが、人の動き等の情報が集積されますので、それを活用することによる効率的なバスの運行なども期待されるところです。 簡単に導入できたように思われるかもしれませんが、実は非常に厳しい運用ルールの遵守や個人情報が集積されるカードのセキュリティの問題など、非常に高いハードルがあります。 おいでんバスについては、運行を担当していただいている名鉄バスさんの多大なるご協力のおかげ
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