平成26年度 研究成果報告会開催記録
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- 44 - 最後に、どういうアンケート調査をしてもデータの偏りはついて回るものですが、今回は小島プレス工業さんの従業員を対象に調査を行ったため、事業所周辺や通勤経路での指摘が比較的多くなっています。いかに偏りのないデータを集めるかというところも課題だと思っています。市民から広くヒヤリハットデータを集め、交通安全対策に結び付ける手法を確立しつつ研究を進めていきたいと思っています。 以上でございます。ありがとうございました。 (拍手) 司会:ご清聴ありがとうございます。 それでは、本研究に対してコメントをいただきたいと思います。コメンテーターは名古屋大学大学院の教授であります中村英樹先生にお願いしております。 中村先生、よろしくお願いいたします。 中村:名古屋大学の中村です。早速コメントをさせていただきます。 道路の整備がほぼ進んだ中で、これからはいかに安全で機能の高い道路交通にしていくかというのが非常に重要な課題になります。例えば生活道路での安全対策等の実施のほか、交通事故の多発地点はもとより、危険箇所への対策をどう先行して打っていくかが問われます。 そんな中、事故発生リスクを伴う箇所を予防的に抽出しようと試みた本研究は、大変意義があると考えられます。 なおかつ、今回は地元の企業の協力による1,283という非常に大きなサンプルデータを使って、危険な箇所をここまで特定できることをデモンストレートされたことは、地元の企業、コミュニティと密着した豊田都市交通研究所ならではの研究だと感じています。 では、何点か質問をさせていただきます。一部既に答えていただいているところもあったようですが。 1点目。事故の危険性を表現するには、事故の発生率、顕在化したものだけではなく、いろんな統計データがあり、それらをうまく使いながら客観的に
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