平成26年度 研究成果報告会開催記録
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- 41 - まいますが、大規模なヒヤリハット調査のアンケート結果から事故危険地点を抽出できるかという可能性を探ろうということで行っています。 約1,600人の従業員の方、ほぼ全員に配っていただき、1,454部を回収しました。中には駐車場などでの指摘もありましたので、それらは除き、公道上で、かつ、場所の地点が特定できた1,283部のデータを使って分析を進めました。 こちらはヒヤリハット調査で出てきたデータと実際の事故データの比較です。道路形状と類型で比較しています。事故データは豊田市における過去5年分の事故を使っています。 道路形状区分では、交差点内でのヒヤリハット指摘が実際の事故に比べて多い一方で、単路部での指摘は少ない傾向にあります。 類型区分では、実際の事故は追突事故が非常に多いのですが、そのヒヤリハット指摘は比較的少なく、一方で、正面衝突の割合が非常に多くなっています。目が後ろについていないので、追突、もらい事故の場合はヒヤリしようがないということで、こういう結果になっているのではないかと解釈しています。 次に「重篤度」を見てみます。ヒヤリハットの指摘をそれぞれ表に当てはめると、「重篤度」の高いオレンジ色の部分の数は1,283件中429件になりました。全体の3分の1が死亡事故につながりやすいヒヤリハット事象ということです。 本研究ではこの死亡事故につながりやすいヒヤリハット事象に着目して分析を進めました。 ヒヤリハット地点の分布です。ヒヤリハット指摘のあった地点を地図上に表示したものです。赤色が危ない指摘のあった地点、緑色が比較的死亡事故につながりにくい地点です。豊田市とみよし市の中心部に工場や事業所が固まっていることもあって、山のほうでの指摘は少なくなっています。 この状態ではどこが危ないかがよく分かりませんので、指摘の多い地点を把握するため、豊田市とみよし市を約250メートル四方のタイル状、メッシュと言いますが、それに区切って指摘の数を集計しました。
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