平成26年度 研究成果報告会開催記録
45/62
- 40 - 「重篤度」は事故になった場合の重大性です。指摘された状況に似たような事故が起きた場合、どのぐらい死亡事故につながっているかという割合で表現します。次のスライドで詳しく説明します。 こちらが「重篤度」の見積もり方法です。公益財団法人交通事故総合分析センターが毎年出している事故統計から過去5年間の事故のデータを持ってきて、事故類型と道路形状という2つの観点で事故の死亡率を算出しています。全事故の平均死亡率が0.65%ですので、事故が200件起きたら1件ぐらいが死亡事故ということですが、この表のオレンジ色のハッチをかけている部分は0.65%よりも大きい、すなわち、死亡事故につながりやすい類型です。緑の部分はそれよりも低い、すなわち、事故になったとしても比較的死亡事故にはつながりにくいということです。 例えば、アンケート回答者が車を運転していたときに、横断歩道がないカーブを渡る歩行者がいてヒヤリとしたという回答をしたとします。これは「人対車両」の「その他横断中」、かつ、「カーブ」ですので、死亡事故に至る割合は9.40%です。全体平均(0.65%)の16倍以上ですから、非常に危険な事故、死亡事故につながりやすいことがこの数値から分かります。 調査票は、回答がこの表のどこに当てはまるかが分かりやすいように設計しました。 1つ目の設問は「発生の可能性」を把握するために、地点の情報や頻度について聞く設問を設けています。現場見取図とその場所の道路の形状を書いていただき、日常的に危険を感じるかどうかもお伺いしています。 もう1つが「重篤度」の把握です。これは状況について伺っています。自分がどういう移動をしていたか、相手がどうだったか、どういう状況だったか、そういったことが把握できるようになっています。 その他、補足的に意識なども尋ねています。 今回のヒヤリハット調査でも広く市民の方からデータを集めたかったのですが、過去の経験からすると「こういう調査をやりますから参加してください」と呼び掛けても、なかなか調査対象者が集まりませんので、今回は小島プレス工業株式会社という、豊田市及びみよし市に4つの事業所を展開しておられる自動車部品製造の事業者さんにご協力いただきました。 小島プレス工業さんとは2年以上のおつきあいがありますが、交通安全に非常にご関心をお持ちで、様々な取り組みもされていたので、今回の調査を行うにあたって協力を打診したところ、ご快諾いただいたという次第です。 対象が全員従業員になるので、データは偏ってし
元のページ
../index.html#45