平成26年度 研究成果報告会開催記録
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- 32 - カタログ燃費の6割から8割ぐらいで運転している方が最も多くなっています。一般的に車の燃費はカタログ燃費の6掛け、7掛けといわれていますが、それと同じ結果になっています。 一方、カタログ燃費を超える実燃費で走行されている方もおられます。緑色の枠の部分です。こういう方の運転を見てみるとスマートドライブの方法として参考になるのではないかと思われます。 そこで、最もカタログ燃費達成率の高く、一番燃費のいい走行を見てみますと、約100キロを平均速度72キロで走行していますので、ほとんど高速道路を走行しているデータですが、実燃費はカタログ燃費の170%になっています。 こちらのグラフは横軸が時間で、縦軸が速度です。高速道路では時速70キロから80キロぐらいで、できるだけ無駄な加減速がないように一定速度で走ると燃費がいいということが分かります。 次は、解析の視点を少し変え、燃費改善効果のランキングを解析した結果です。 改善効果は、参加者それぞれの通常の運転、つまり情報提供しないときの燃費と、スマートドライブ、つまり情報提供したときの実燃費を比較して求めています。 改善効果を見てみますと、0%から15%ぐらいの改善効果があった方が一番多いんですが、改善効果が50%を超える極端にいい方(右側のオレンジ色)がいる一方で、改善効果0%以下と極端に燃費の悪くなっている方(左のオレンジ色)もいます。 データを詳細に見てみたところ、運転操作以外の燃費影響要因が含まれている可能性があることが分かりましたので、それをできるだけ除くことを目的に2つの観点からデータを選定しました。 1つ目がデータ期間の選定です。通常運転と近い時期のスマートドライブの期間を選ぶことで、気温やエアコンの使用などの季節的な影響をできるだけ取り除きました。 2つ目は走行経路の選定です。日常よく利用する同一経路のみのデータを選定することで、走行する道路状況の影響を取り除くことができます。また、燃費のよい長距離走行や燃費の悪い市街地走行、それは期間によって頻度が変わったりしますが、そういう違いの影響も取り除くことができます。 こういう観点からガソリン車9名の方のデータを選定したところ、スマートドライブによる燃費改善効果は約15%と社会実験の全体の効果よりも3倍も高い値が得られました。データを選定したことによって、運転操作の違いがより鮮明に見えたのかと思います。

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