平成26年度 研究成果報告会開催記録
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- 30 - イブという言葉を使っています。 もう1つの安全のほうでは、エコドライブを豊田市内で進めるとき、豊田市で盛んに行われています安全運転の取り組みと一緒に推進していくのがいいのではないかという思いも込めて、スマートドライブという言葉を使っています。 豊田市では「とよた3Sドライブ」としてSLOW・SMART・STOPという安全運転が推進されていますし、トラック事業者さんからは、エコドライブを普及すると、交通安全のルールを守る運転になるし、燃費もよくなるといった報告も出されていますので、安全と環境を一体的に推進していきたいと考えています。 次に、環境分野におけるスマートドライブ研究の背景です。 ご存じのとおり、自動車からの温室効果ガスの排出量削減が大きな目的です。豊田市は環境モデル都市に選定されていまして、次世代自動車の導入や超小型電気自動車のシェアリング、公共交通の利用促進など、交通部門ではさまざまな取り組みが行われています。スマートドライブもその1つです。できるだけ多くの市民に実践していただきたいと思っています。 そこで研究所では、市民に向けたPR材料の充実のため、昨年度は次の3つの観点から研究に取り組んでいます。 1つ目は、交通安全によるCO2削減効果の評価。 2つ目は、次世代自動車におけるエコドライブの効果評価。 3つ目は、豊田市の自動車利用における燃費改善要因の検証。 本日は3つ目の内容について報告させていただきます。 まず、このテーマに関する問題意識です。 エコドライブといいますと通常、講習会などで効果評価が行われ、CO2の削減効果としては10%から20%ぐらい燃費が改善しますという報告が数多くあります。インストラクターが助手席に座って、その指導の下で運転を実践します。講習会なので、特定の場所や特定の経路だけを使った結果になります。 一方、日常の自動車利用に目を向けてみますと、その検証には社会実験を行う必要がありますが、規模が大きくなるとか、長期の実験が必要という理由で、実施例は少ない現状にあります。この5.2%は豊田市で実施した社会実験の結果ですが、講習会での結果よりは小さな値になっています。 なぜこうなってしまうのかというと、社会実験ではいろんな条件を含んだデータになってしまうといった点が挙げられます。朝の通勤もあれば、買い物もあれば、長距離移動もあるし、いろんな道を通ります。また、講習会では指導の下で運転しますが、日常的に運転改善ができているのかどうかも疑問です。これらをはっきりさせるにはデータを詳細に解析する必要があるというのが問題意識になっています。 そこで本日は、平成23年に豊田市内で実施した社会実験のデータを基に、本当に削減効果は小さいのか、どんな方法が日常で実行されていて効果があるのか、詳細に解析した結果を報告します。

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