平成25年度 研究成果報告会開催記録
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を多く出すというイメージがありましたが、技術革新を経て、今はいろいろな次世代の車が出てきております。EV、プラグインハイブリッドだけではなく、超小型モビリティもあります。 同時に、私ども市民のサイドから見ますと、移動に対するニーズが変化し、環境や健康を十分に考慮した総合的なシステムが求められています。例えば自転車や徒歩といった、そういった身近な交通手段をもう一度見直しながら、それら全体の中で車の位置づけをもう一度考える時代になってきているかと思います。 都市交通関係では、ブキャナンレポートによりイギリスで初めて都市の自動車交通をどう扱うかという基本的な原則が確立されたわけですが、それが1963年ですから、ちょうど50周年という理論面でも記念すべきタイミングにあります。 最近では、ロンドンの主要道路での交通量の半分が自転車にかわってしまったという報道もあります。特に自転車ルネサンスという言い方をしますが、ヨーロッパを中心に、最近ではアメリカでもそうですが、そんなところがたくさん出てきたことは大変な驚きですが、そんな動きも世界全体としてはあるのです。 市民が暮らしの中でもう一度足元から一番適切なものを選んで使う、1つの手段ではなくて、多くの中から場面に合わせて選ぶ、そんな総合的な交通システムの中で物事を考える時代になっているかと思います。 「持続的な交通まちづくり」といっておりますが、生活の中で安心して暮らせる、お年寄りから子どもまで誰でも社会に参加できる、そういう形の中でどのように交通手段を考えるか、交通手段そのものが目的ではなく、それを通してどういう生活をしたい か、それに向けて交通関係がどういうふうに手助けができるか、そんな視点で物事が動き始めていると強く感じております。 私どもは「交通まちづくり」の中身をまたさらに深めながら、これからも研究を続けたいと思っております。今日発表する豊田市に直接関連する問題も、そういった背景の中で理解していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 今日はどうもありがとうございます。 ― 3 ―

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