平成25年度 研究成果報告会開催記録
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また、「利用者」につきましては、教育機関での自転車利用に関する教育、啓発活動もさることながら、学生以上、高齢者未満を対象とした教育も必要ではないかと考えます。 下の表は豊田市が行っている自転車講習の対象者を表したものです。0歳から10歳代に関しては、小学校4年生、中学校1年生、高校1年生を対象に講習ができていますが、20歳から高齢者になるまでの期間は教育と講習の機会が希薄になっています。これが自転車利用者の意識がまだまだ追い付いていないという調査結果として表れたのかなと思います。 ここの対策としては、事業所、通勤先で自転車教育と啓発を進めることです。豊田市には全国にも誇れる交通安全学習センターがありますので、そういった施設との連携による自転車教育も必要かと思います。 宣伝ですが、お手元の封筒の中の緑の冊子はこのアンケートをベースに作成したものです。事業所で自転車教育をやりたいということでしたら、まだ残部がありますので、ご一報をいただければと思います。 2020最後に最後に一.自転車は自動車と同じ「車両」、自転車に対する正しい知識と責任二.道路空間を共有する者(自動車・自転車・歩行者)同士で思いやり最後に、自転車は車両です。自転車に対する正しい知識を身につけ、道路空間を共有する者(自動車、自転車、歩行者)としての責任とお互いへの思いやりを持って、安全な交通、移動を心がけていただきたいと思います。 以上です。ご清聴ありがとうございました。 司会:皆様、ご清聴ありがとうございました。 ただいまの報告に対しまして、豊田工業高等専門学校 名誉教授 荻野弘様にコメンテーターをお願いしております。 荻野様、お願いいたします。 荻野:ご紹介いただきました荻野です。 私は1971年に豊田高専の土木工学科に赴任して以来ずっと、豊田市の交通関係を研究したり、調査したりしてきましたが、その約40年の中で最も印象に残っていることが4つあります。 最初に関与したのは豊田都市交通研究所の前身である交通問題研究会です。当時豊田市は交通のまちといいながら、まだまだ十分に道路が整備されていなかったので、道路をどう整備するか、渋滞をどのように解消するかを検討するため、市役所の中の一部門として立ち上がったものです。それが発展して今日に至るわけですが、その創生期を手伝うことができたことが1つ目です。 2つ目は、とよたおいでんバスの導入以前のことですが、公共交通空白地域を探して、そこに公共交通を整備するという提案をして実現に至ったことです。 3つ目は、駐車場案内システムです。今ではカーナビが普及していますので、路側にどこの駐車場が空いているかを明示する必要性がだんだん薄れてきましたが、当時はどこの駐車場が空いているかが分からないため、クルージングといって、余分な交通をしなければなりませんでした。そこで導入したのが駐車場案内システムです。本格的なものとしては日本初だったと思います。1620kHzという音声情報を使っての情報提供も行いました。 4つ目は、先程樋口さんが言われました豊田市交通安全学習センターです。検討していたときは教育センターという名称でしたが、開所式に行きましたら、学習センターになっていたのです。前市長が、教育するのではなく、一緒に体験して学習して交通のマナーや技術、知識を得てもらおうということで、この名称にされたということです。 大きくはその4つをいろいろな形でお手伝いできたと思っています。 ― 39 ―
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